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助けてください!天狼さん。  作者: 落田プリン
第三章 契りって何ですか?天狼さん。
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番外編 オオカミ達のクリスマス。(その1)

 これは、第二章 ホワイトクリスマスと同時刻の物語です。

クリスマスの夜にオオカミ達は一体何をしていたか?

地獄蟲退治の専門の二人の人狼の物語。

性格は正反対の二人、この事件どう解決する。

 クリスマスの日に雪が降った。

街は白の街へと変わり始める。

行違う人々は、白い息を吐きながら、歩道を歩く。

雪が降ったせいか、忙しく行違う車の数が一層多く感じられた。

「ホワイトクリスマスか…」

黒塗りの車の中で、そうぼやいたのは運転席に座り、窓に肘をかける人狼。

よれよれのワイシャツに黒のスーツ姿、亜麻色の髪と深い緑の瞳を持つ男は、憂鬱気味な態度を見せながら言葉を続けた。

「なんだって、こんな日に…」

「そう言うな、前々からこうなると知っていただろう?正俊まさとし

相棒の愚痴を聞きながら、助手席に座り、携帯を片手に誰かと連絡を取ろうとしている人狼。

ネクタイをきちんと絞め、黒スーツにはしわ一つない。

黒髪に短髪、額に薄く傷があり灰色の瞳を持つ男は、携帯を何度も見ながら、今起きている情報を整理していた。

勝馬かつま君、勝馬君、こういう日だから言いたくなるんだよ。生理現象だと思っていい」

「そうか、かわやに行くなら、今のうちだぞ?」

「お前は、そんなんだからモテないんだ!」

二人は、人狼で山犬だ。

この日、二人はある事件と関わって行く。


 正俊は、歩道を歩く女の子達をじっと見ては、ため息をこぼした。

「いいな~俺も、きゃははうふふして~そんでもって、黒タイツにすりすりして~」

「車から一歩も出るなよ、道路に駐停車しているんだからな。指示出れば、すぐにでも動けるようにしろ」

「ふはあ~い…って!いでてえぇ…」

正俊はあくびをしながら返事をし、勝馬は適当に答える正俊の頬をつまみながら、携帯にかかって来た電話に出る。

すると、後部座席の方の扉を開ける青年。

「おっ待たせましたっす!」

青年は正俊達と比べて若く、まだ幼さを持っていた。

黒スーツに白黒のチェックのネクタイ、茶髪に前髪に幾つものヘアピンを付けていた。

童顔に葡萄ぶどう色の瞳を持ってた。

車内に冷気と香ばしい匂いを持ち込んだ青年は、言葉を続けた。

「先輩、限定品は品切れでしたっす!」

「ふぁじか!」

「先輩、何かのプレイっすか!」

「断じて違うな、これはお仕置きだ」

勝馬が、電話に出ながら訂正をした。

同じだろ!

正俊は頬を摘ままれがら、内心でつっこんだ。

青年は車内に乗り込み、ビニール袋の中から紙箱を出した。

「はい、クリスマスチキンっす!めっっちゃ混んでいて大変だったっすよ!」

ようやく勝馬から解放された正俊は、チキンをすかさず頬張る。

待っていましたとホクホクの微かな煙を堪能する。

だが、期間限定のクリームパイは品切れだったことに少しがっかりする。

「勝馬さん、はいっす!熱いっすから気を付けてくださいっす」

次に青年は、勝馬にコーヒーが入ったカップを渡した。

勝馬は携帯を片手に受け取り、言葉を出した。

「お前たち、体調はどうだ?」

いきなり聞かれて、正俊は眉を細めた。

「どうした?」

「天狼様が負傷した」

「……ぶっ!!」

「マジですか!」

勝馬の言葉に、正俊は驚いて、チキンを落としそうになった。

青年は、言葉は出せても驚愕きょうがくしていた。

そのはず、天狼が負傷したってことは…

「それで、お前たちどうなんだ?」

正俊はすぐに答えた。

「ない」

青年も慌てて、答えた。

「俺も特にないっす!」

「勝馬、お前は?」

当然、勝馬にも聞いた。

俺たちの中で、血統的に勝馬の方が影響があるかもしれない。

「ない」

勝馬は二つ返事で答えた。

とりあえず、安堵する。

勝馬は続けて言葉を出した。

「とにかく、今後、体調や精神的に何かあったらすぐに報告しろ、いいな」

「ああ」

「了解っす!」

二人の返事に勝馬は電話の先の人物にその報告をする。

「でも、どうしてじっちゃんが…」

青年の言葉は、どこか不安げだ。

「どうせ、恰好つけたかったんでしょ?天狼様のいつものことだろ」

あの人、性格は俺らと何の変わらない人だし。

まあ、性格はだけど…

「そんな言い方…じいちゃん大丈夫かな…」

勝馬は、いつものことだと含みながら、言葉を出した。

「……天狼様はご無事だ。今、病院で治療中だそうだ」

青年は、その言葉を聞いてほっとする。

「よかったっす…」

「こんなことで安堵したら、今後もきついんじゃない?何回もあるよ、あの人、毎回無茶するし」

「誰も止めないすか!じいちゃんに何かあったら、俺ら人狼は!」

「だからなんだ?」

正俊は、青年にぐっと睨みながら言った。

「うっ…」

青年は狼狽えた。

青年はまだまだ若い。

俺らと比べて、経験が浅いのと不安定なのはわかってる。

だが、いつ何が起きても、己を律する精神はつけなくてはいけない。

「これは天狼様のご意志だ。俺らが何を言ようが、止めに入ろうが、天狼様は動くぞ」

「…………」

青年は言葉が出せなかった。

正俊はチキンを口に入れながら、青年に言った。

「まあ、気持ちは、わからなく、もない」

天狼とて、一人の人狼だ。

でもだからって、無茶は駄目だよねぇ…

てか、天狼様、ホント何やっているんだろう…うける(笑)

正俊はニヤニヤ笑いながら、チキンを食う。

勝馬は、そんな正俊は横目にしつつ、電話に集中する。

正俊は肉についていた骨を嚙み砕きながら、運転席に向かい合った。

青年は、言われたことを少しずつ理解しながら、今から起きるだろう出来事に身を構えた。

勝馬はそのまま、電話の内容を聞き、最後に言葉を出した。

「了解」

電話を切ると、勝馬は携帯をカーナビと繋げて、地図を出した。

「仕事の時間だ」

人狼の聖夜はまだまだ続く。

番外編はぼちぼち、投稿して行きます。

よろしくお願いします。(*- -)(*_ _)ペコリ

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