第13話―翌日
お久し振りな気がします。そうでもないはずなのに。
今月もガッシュの更新に合わせるつもりだったのですが、結局駄目でした。申し訳ない。いつもより短めだし……
でも中々良い感じにできたと思います。
魔獣襲撃の明朝。ガイは診療所の受付で頭を抱えていた。魔獣の群れが街から飛び去った直後、急にリーンが倒れて、この診療所に運び込まれた。それだけじゃない、今回の事件の負傷者は全員運び込まれている。
もちろん、アーロンもだ。ケイレスという魔獣が彼をここまで運んだらしい。奇跡的に死者はゼロ、そして重傷者も何とか診療所の手に負える程度の人数だった。軽症の者はバレル家の執事一家であるマクレーン家が全力を以て事に当たっている。
人数だけ見れば十分とも言えるだろう。だが、自分が無力だったことが、ガイは悔しかった。
「……今は力が欲しい」
窓の外の暁に手を伸ばした。彼の想いは強い、しかし魔術画は発現しない。世界はそれほど都合が良くない。彼は、本能を超える心が無かった。それが何より悔しかった。
「クソッタレ、なんで今できねぇんだ……昔、できたはずだろ……!」
彼の手には、3分の1だけの偽物がある。誰も文句のつけようがない、彼だけの魔術だ。魔術画を作った経験があるからこそ、より悔しかった。
失意の中、奥の扉からセイア先生が出てきた。
「アーロンとリーンの容態はどうですか?」
「弟の方は安定してる。肉体の損傷しか無かったからね。ただ、リーンちゃんの方は……」
ガイは耳を閉ざしたくなる。歯を食いしばり、拳を握る。
「洗脳系の魔術の回復は少し面倒で時間がかかるんだけど、今は人手が足りない。この前のアーロンの一件はバレル家の執事たち総出で、かつリーンちゃんが居たからなんとかなったけど……それに魔術で治しきれないような大きな外傷も無い。だから、他の患者を優先したい」
「……俺には止める権利は無いよ、仕方ないんだし」
真っ黒に染まった目で見つめられたガイは、この要望の意味を理解できないほど愚かではなかった。顔は、上げられなかった。
リーンの寝ている病室に入らせてもらったガイはリーンの寝顔を見た。
綺麗な寝顔だった。
ふと、このまま起きなかったらどうしようと思ってしまった。勿論、この時代の魔術医学ではそんなことはあり得ない。素人であるガイの知識でも断言できる。
しかし、例外が発生したら?
そう思うと、
涙が止まらなくなった。
ガイを初めて自分を独り立ちさせてくれた人、初恋の人、今も愛おしい人。
(どうか……どうか……無事でいてくれ……)
ああ、どうしようもなく不安で、どうしようもなく無力だ。
(……力、絶対的な力)
ガイはウォーレンと自身の祖父母であるタリス夫妻を思い浮かべる。
ウォーレンは先日まで自身に稽古をつけてくれていた。そんな彼ならここから成長する方法も分かるのではないか。
タリス夫妻はかつて最強の1人として名を馳せていた。そしてこれはガイの知らないことだが今でも火力は最強と遜色は無い。
身近な力の持ち主である2人、ガイのやることはもう決まった。
どうでしたか? 久し振りにセイア先生が登場しましたね、ガイの主治医の先生です。メガネ巨乳金髪美女です。
初期の頃に、回復魔術を使うと視界が暗くなり最終的にほぼ見えなくなるという設定を明かしたのですが、覚えていますでしょうか。
時間経過で視野は回復するのですが、今回黒目になっているのはそれが理由です。
あの描写の意味は端的に言って、この時点でセイア先生は限界まで頑張っており誰かを後回しにする必要があるという仕方無さですね。
次の回は重要なのでできる限り手早く更新したいですね。




