第10話―変化
どうも、年末に投稿しようと思ってたらいつの間にかこんな時間になっていました
まぁとても短いですが、楽しんでくれると幸いです
龍魔王が進む。見えないわけではないが、目で追うには速すぎる。魔獣の女王に追いついた龍魔王は腕を振り、女王の四肢を切り裂く。
確実に殺す意思を持った魔王が魔獣の女王の首を捕えた。片手では絞め落とし、そして残った腕で体の至る所を拳で貫いている。胸部脚部腹部肩部腕部鼠径部……
しかしまだ死ぬ様子はない。全力で締め上げているのに落ちてもいない。頭部以外は穴だらけなため、おそらくそこに脳があるのだろう。このことが示すのは脳に酸素を送らずとも活動できるということだ。こいつはいったい何をエネルギーにして生きているのか。
長年の強者たる龍魔王はこれを分析できなければ勝てない気がした。しかし分析する前に女王の魔の手が襲い掛かる。凄まじい速さで四肢が再生し、龍魔王を拘束したのだ。
「知っているぞ、お前のその魔術には弱点がある!」
女王も全力で締め上げる。女王はいざ知らず、龍魔王は元は人間である。臓器の位置やその機能も人間のそれと変わらない。全力で抵抗しなければ殺されるだろう。その状況で、女王は光を収束させる。路・氣・渡か。いやそうではない。その光は天使の輪を形作ったのだ。
「我・零・斬・気!」
その叫びが街に響くように、天使の輪が街の全体に広がっていく。遠くに見える絶対防御障壁・天岩戸が消失しているのが見えた。
いやそれだけではない、
「魔術を無効化する術が使われると融合が解けず、体内に異常が発生する!」
龍魔王が人間の姿になろうとしている。しかしただ分離するのではない、人影は1つのまま人間の姿に近づいているのだ。
どうやら女王の言った弱点は本当らしい。しかし、龍魔王は、笑っていた。
「……気にならなかったのかい? その弱点があるのに、何故私達は今まで生きていたのか」
龍魔王が言葉を紡ぐ最中、空中に巨大な龍の手が作り出された。あれは龍魔王の手だ。龍魔王は勝負を決めるつもりだ。
「対策その1。確かに異常が生じるが、短時間であれば問題ないし、活動に支障はない」
巨大な龍魔王の爪に光が集束する。溜めの時間なんてない。一息で攻撃する必殺技。
「光刃爪」
光が飛び散る。それぞれが針のような細長い残像を作り出し、魔獣の女王に突き刺さった。
「なんだかあっけなかったな」
先ほどよりも肉体は穴だらけ、いやもはや穴が本体であるかのような醜悪な様相だ。魔獣の女王は今確実に死んだのだ。
あっけない幕切れだ。だが、本当にこれで終わりだろうか。その疑問に答えが出るより前に、視点がはらりと動く。白い狐火を見た、アーロンのもとへ……
どうでしたか? 面白いなら幸いです。
さて、次回はアーロンのになります。すぐに投稿する予定なので楽しみにしてください




