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正義のあり方 俺たちの覚悟  作者: 松尾ヒロシ
自分の心を代償に復讐を果たせ
37/58

第2話―その1「日向でゴロゴロするのが好きなのか。」

言い忘れてました。実はこの作品は主人公が複数人います。未だに登場していないキャラも含めて三人です。その内の二人がガイとアーロンで、それぞれの主要キャラがメインの話のタイトルのパターンが違います。

ガイは二つの漢字

アーロンは劇中台詞

もう一人は英語とその和訳です

 俺がカームを連れてバレル邸にたどり着くと、屋敷の全ての人間が、正確にはマクレーン家の人間が彼らを出迎えた。それは現在この街を治めている人間が帰ってきたからではない。俺が連れ帰ってきた犬が目的だ。マクレーン家の人間は生来動物好きで、動物の危機と聞けば地球の反対でも助けに行くほどなのだ。

 勿論ウォーレンもその性質を受け継いでいるが、今この屋敷にはいない。国王に呼ばれて出張だ。理由は知らないが、あいつが呼ばれるほどの事を俺が対処できるはずも無いので気にしていない。

 しっかし流石にこの人数は家に入るのにも一苦労だ。動物が好きなのは重々承知しているがほどほどにして欲しいな。

 命令してどかすのも出来るけどそれは何だか嫌で、どこか通れないかと辺りを見回していると、ある女の子が父親らしき男の肩に乗せられていた。顔をよく見ると、男の方はウォーレンの父で肩に乗っているのは妹ちゃんだ。俺が手を振ると彼女も笑顔で振り返してくれた。彼女が口を大きく開いて息を吸いだしたと思うと、それと同じくらい大きな声で俺に尋ねてくれた。


「アーロン様、いったいその子はどこにいたんですか?」


 なんだか嬉しくなった俺は彼女に聞こえるように叫んだ。


「向こうの山のタリスさん家で貰ったんだ! 後で俺の部屋においで! 触らせてあげる! 他の奴らは駄目だぞ、皆は仕事があるからな」

「えー!」


 皆の声が木霊する。なんだか懐かしい気分だ。皆と家族のように軽く接して笑いあう。それが俺の日常だった。俺の日常はやっと戻ってきたのだと実感できた。

 皆に仕事に戻るように伝えた後、俺はカームを抱いて自分の部屋に連れてきた。俺が元に戻った後、使用人たちが喜びのあまり改修工事を突貫で行い、俺の部屋は親父の部屋の次に豪華な部屋となった。天蓋付きのふかふかベッド、なんかすごく高いらしい絨毯、正直こんな広さは要らないクローゼットルーム、心が躍る秘密の出入り口、薄い本を置いたら一瞬どこに有るか分からなくなるほど分厚い本が並んだ本棚。どれもこれも俺にとっては無用の長物ばかりだ。いや、ベッドと本棚は役立ってるな。未だに本棚に隠したエロ本見つかってないし、このベッドで寝るといい夢ばかり見る。

 そんな馬鹿な事を考えつつ、俺はしゃがんでカームを床に降ろした。


「うんちやおしっこでカーペットを汚すんじゃないぞ。なんかすごく高いらしいから」

「第一声がそれかよ! 言われんでもせんわ! あとすごく高いらしいってなんだよ! だいぶあやふやだな!」

「まぁまぁ、とりあえずくつろいでくれよ。どうせ10分もしたら使用人が餌とベッドとトイレを持ってくるはずだから」

「それって犬用か?」

「不満か? 別のを持ってきても良いが」

「いやいい。僕はなんだかんだ犬用の餌が気に入っているんだ」


 そう言ってカームはとことこと日あたりの良いカーペットの上に向かって歩き出した。そしてその場で座ると、直ぐに仰向けになってイビキをかき始めた。こいつどんな速さで寝ているんだ。のび太くんもびっくりの休眠スピードだ。


「日向でゴロゴロするのが好きなのか」


 俺はそっと近づいて隣に座った。日当たりが良すぎて頭が熱くなった。こうして見ると、ただのポメラニアンだ。これが親父に聞いていた狂暴な魔獣とは思えない。もしかしたら魔獣だと気づかれず、人間と共存しているものも居るのかも。


「いつか……人間とか魔獣とか関係なく共存できたら皆幸せだろうにな」

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