第6話―奇怪その7
そして武通の胸部を貫こうとすると、武通は突然笑い出した。
「なんだ? 何が可笑しいんだ?」
「いやぁここまで予測通りだと俺に天性の才能があるんじゃ無いかと思えてな。ああおもしろい」
「どういうことだ?」
「俺の胸を全力で突いてみせろ、それで答えが分かる」
「加減はしないぞ!」
ガイは確実に手加減をせず、武通の胸部を突いた。だが、武通は機能停止をしていなかった。よく見てみれば、胸部には切っ先の刺し傷のみしかついていない。
「どういうことだ!?」
「第三段階とは多対一と一対一の2工程を連続してやるものだ。一対一の実践をするなら俺みたいな人型を捨てた形態を持つMUでなく、完璧に人間と同じ関節機構を持つMUであるべきだと思うだろう?でも俺が選ばれた。何でか分かるか?」
彼は油断せずに颯竜刀を武通の胸部に向け続け、質問に答えた。
「……お前には魔術画による魔術が使用可能だから。通常のMUには使用不可だ」
その言葉を聞いて、武通は大きな笑い声をあげた。
「バレてたかぁ」
「俺が腕を斬ったとき、驚いたのか関節に隙間ができてたからな」
「なるほどな。じゃあ次の問題だ。なぜお前の両親がオリジナルの名前をつけると見た目が変わり、威力が上昇することをお前に伏せてたのか分かるか?」
そこで、ガイは奴から注意をそらしてしまった。武通の意思のまま、そらされてしまったのだ。そのタイミングで武通は再度合体を発動、その光景にガイが驚いている一瞬の隙に全力で颯竜刀を折った。
「お、折れた!?」
「正解は『オリジナルの名前をつけた魔術が壊されてしまうと精神に多大なダメージを受けるから』だ」
奴の言葉に偽りは無かった。証拠に、ガイは壊されたショックで颯竜刀についての事に夢中になっている。涙さえも流している。
(なんで? こんなに悲しいんだ? ただ攻撃手段の1つが壊されただけなのに?)
こんな状況になり冷静さを欠けさせてしまった彼は、右から来る武通の拳に気づかず、壁まで殴り飛ばされた。




