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正義のあり方 俺たちの覚悟  作者: 松尾ヒロシ
自分の幸せを代価に周りの平穏を守れ
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第6話―奇怪その6

 武通はガイと離れ、正面に向かい合った。ウォーレンによって部屋中にブザーが鳴り響いた瞬間、両者ともに動き始めた。武通は背部から2つ、腰部から2つ、合計4つのサイドアームを展開後、腕の数だけ風の刀を生成し、リーチの差を利用した連撃を行う。

 それに対し、ガイは気力を高めて迎え撃った。メインアームと比べ、半分ほどの太さしかないサイドアームではあるが、それでも人間の腕力とは比ではないほどのパワーとスピードだ。ガイは風を操って腕の動きを弱め、自身の動きを加速させて対応する。コンマの差が生死を分けるほどの連撃の中、ガイの額からは冷や汗が流れた。


(MUとコアの位置はそれほど違わないはず、なら胸部が弱点!)


 ガイは颯竜刀から1つにしていた風の刀を武通の背部に発生させ、猛攻を仕掛けた。少しずつ、武通の体は後ろに押されていく。


「うぐっ、何だこれは!?」


(よし! これは刺さった!)


 その確信は揺るぎなかった。背部からは間接の滑りを良くするためのオイルが溢れていたからだ。だがそれでも、致命傷を与えるには至らなかった。


「ふふふ……装甲の厚さを見誤ったなぁ!」

「何っ!?」


 武通の6つの拳がガイの顔面へと動く。ガイはそれから逃げようと直ぐ様風を噴射して離れるが、武通はこれを好機と見て詰め寄ってきた。やはり倒したと確信したあとは満身創痍になるものである。先ほどとは一転し、武通がガイを押していた。気力の差を魔力で埋めているため、息が荒々しくなっている。

 ガイは声にならない呻き声をあげ、魔力切れになりつつも風の刀を5個発生させた。魔力切れの副作用で腕が内出血で赤く染まるも、増えた魔力で傷を塞ぐ。


「魔力切れまでして勝ちたいか……お前の第3段階を終らせたいという想いを見せてもらったよ」


 ガイは雄叫びをあげ、連撃を仕掛けた。客観的に見ると、武通が押されている様に見えたが、なぜだか余裕もあるとも思えた。それがガイは不思議で、気のせいだと自分を納得させるために動きを速めた。


「でもなぁ、予想通りなんだよぉ!」


 予想通りと言わんばかりに武通は笑い声をあげて、腕の一部の合体を解いた。急な武通の変形に対応できず、ガイの重心は前の方に倒れる。ガイが予定の態勢と位置に移動したと確認すると、武通は再度合体をした。ガイは突然の出来事に対象できず、左肩から指先にかけて武通のアームに取り込まれてしまう。アームパーツに腕が挟まったことで出来た隙間からは血とグリスが混ざった液体が流れていた。


(痛い痛い! けどこんな時こそ冷静に判断しろ俺!)


 深く息を吸って吐く。それを数回繰り返したのち、彼はあくびをした。


「あくびだと?」

「全然痛くないね!」

「涙目で言うことか!」

「言うことさ!」


 彼は突然右手の颯竜刀を振り上げ、自身の左腕を断った。その行為に驚き、武通の関節に僅かな隙間ができた。どうやら合体は魔術画の魔術だってらしい。本来の目的は油断させ、その隙を突くことだったが、棚からぼた餅だとガイは4本の風の刀を四肢の関節の隙間に射し込み、武通の両手足を断ち切った。それから彼は直ぐ様合体の効力が完全に消えたそれらから自身の腕を拾い、回復魔術で無理やりくっつける。


「やっぱ神経まで繋げるにはレイナ先生のとこ行かなきゃな……」

「何で、お前はそんな馬鹿なことを!!」

「こんなところで止まっているわけにはいかないからな」


 ガイは右手の颯竜刀に全ての風の刀を重ね合わせ、威力を高めてから赤いMUのコアに切っ先を向けた。


「これでゲームセットだ」

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