数学だけで学園のトップに立てるそうですよ。
プロローグ
「なんで勉強するんだろう、、、」
これが受験生になった睦月慎也の口癖となって何か月たったことだろうか。
受験真っ盛りの中学三年生にはもう勉強というものが頭から離れなくなった。
否、成ってしまった。
勉強ができないわけではない、むしろできるほうだと思う。
それは自他ともに変わりないが、やはり勉強などというものはやる意味も分からなくただつらいものだった。
「今日も塾か。」
薄暗い影を落とす天井にそれとなく呟いてみた。年期のはいったショルダーバッグにいつもの塾セットを入れて、5年生からの付き合いであるマウンテンバイクで塾へ。
いつもと変わらない道。
信号機。
風。
ただ一つ、いつもと変わったものがあるとすば、、、
『目 の 前 に 迫 る 大 型 ト ラ ッ ク の バ ン パ ー』
「・を・・・・だ・い」
どこからか声のようなものが全身をつつむようにふってきた。誰のものだろう?
「目を開けてください」
やっとそれが声だと気が付く。心地の良い声だ、このままもう少し眠っていたい。
「チッ全然目さまさねーじゃねーかよ、マジありえねー」
心地の悪い声に大きく目を開く。心なしかさっきの心地の良い声に、似ていた気がする……
「ここはどこだ?」
かろうじて絞り出したその声に、ここちのわr……女神をほうふつとさせる安らかな声が答える。
「ここは天と地のはざま、いわゆる冥界です」
「冥界だと?」
「はい。あなたは残念ながらその15年という短い人生で現世を去ってしまいました」
「……」
「お困りのようですがまずは落ち着いて下さい。あなたにはこれからまだ二つの選択があります」
「選択?」
ふと我に返るとそこには狭いような、永遠に続くような空間が広がっていた。
腰回りの感触からして椅子に座っているのだろう。 そして前に、正確には自分より高いところに浮遊しているザ・女神みたいな何か、それ以外にこの空間には何もない。
その女神的な何かが、心地の良い声で囁く。
「まず、もういちどあなたが元いた世界に戻ること、これは生まれ変わりに当たります」
「もう一つは?」
「チッ人が話してんだろ、空気読めないガキだな、てかウチ人じゃなかったわ。」
「え?」
心地の良い声と同人物のはずの女神的な何か、それがもともとあったオーラをなくして心地の悪い声で囁いた。
「いえ、何でもありません。 話がそれましたね、お待ちかねの二つ目は、、、異世界転生です!」
オーラを取戻し心地よい声になった。
「異世界転生ってあのラノベとか漫画だよく見るあの!?」
「今日一番の食いつきですね、これはどうやらもう決まった見たいで」
「いえ、生まれ変わりでお願いします。」
言葉をさえぎるようにそう言った。
「はぁ!?なにをかんがえてんだよ!?」
オーラが消えた。そして先ほどから気になっていた心地の悪い声の主、もとい心地の良い声を持った女神的な何か。
おそらく心地の悪い声のほうが本心なのだろう。
「お前わかってんのか?もう一度人生やり直しだぜ?この大女神様が直々に言ってやってんだぞ?」
どうやら女神で当っていたらしい。
「ちょっと気になってたんですけど、心地の悪い声のほうが本心ですよね?」
「あ、いえ、その、くちがすべってしまいましt」
「もうだませねーぞ。」
そういった瞬間、女神からあの美しいオーラは失われた。
「ふぅー。よくぞ人のみにして私の本性をみやっぶった。まずは褒めて遣わす!」
「とりあえず早く生まれ変わりを、あ、できればかわいくて料理ができてツンデレの幼馴染と、人懐っこくて将来はお兄ちゃんと結婚するんだ!って感じの義理の妹がいる年収1000万以上の家で」
「……」
下を向いたままプルプル震えだす女神。どうやら怒らせてしまったようだ。
一応フォローしとこう。
「あの、女神いや、偉大なる大女神様?」
「・・・」
反応が変わらない。もっとやってみよう。
「よっ美人、世界一、最高!」
「・・から・・・・い・・・に・・」
やっと口を開いてくれた。よし、ここはもうひと押し。
「なんて?偉大なる大女神さm」
「良いからさっさと異世界に行けーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
俺の願いむなしく、女神を怒らせたたため異世界転生させられてしまうようだ。
まあ、何とかなるだろう。
こうして俺の輝かしい異世界ライフが幕を開けた。
初めての投稿なので拙い点があると思いますが、よろしくお願いします!