第97話
地震の話があります。
読まれる方は注意願います。
作者は岩手在住です。
この話にすべきかどうかさんざん悩みました。
しかし作者のカブトムシ脳では対案も無く。
批判避難は甘んじて受ける覚悟で投稿することにしました。
この先数話この状況が続きます。
無理せず「飛ばす」「読むのやめる」などご自愛ください。
ドンッ!!
グラッ!!!!!!!
どこかで感じたことのある衝撃。
グラグラグラグラグラグラグラグラ。
あの時に似てる。
一度だけ経験した大震災。
俺の住んでいるところは多少の被害で済んだが、テレビで見たあの地獄絵図。
火の海にがれきの山に生活物資の無い極寒の街。
おかげで知識だけは少しある。
足元の定まらない揺れる地面を蹴り、街の外に出る。
「街の西門を出たところに小山を作るから、みんなをそこの山頂へ連れてこい。
目印として火球を上げるから、行く途中も周りに伝えながら行け。
最優先はパーティメンバー。次はウチの奴隷。次が男爵一行に移民団。最後が街の人だ。
火柱になったら周りを捨ててでも火柱に全力で走って戻って来い。」
ルドに支持を出す。
海辺の街で地震。
津波の心配は絶対にしなきゃいけない。
でも街の人全員なんて救えない。
現代日本でも万を超える被害が出たのだ。
『テンデンコ』
東北に伝わる地震津波への対応策というか言い伝えだ。
自分で自分を救うしかない。
意訳すれば「それぞれ自救自守」といったところだろうか。
ゆれてから数分から数時間で起こる自然による殲滅。
魔物はあれに抗することができるのだろうかと要らぬ考えがよぎる。
土魔法の「土壁」「石壁」を発動させ、ピラミッドの上を切り取ったような小山を作る。
高さは山頂部で30mほど、山の四方をピラミッド状というか階段状にしてどの方向からも登れるようにした。
山頂部は50m四方の広場といったところか。
街の人全員は絶対に乗れない広さだ。
ただ、MP量と、津波対策の高さ、避難スペースを考えるとこれが限界だ。
完成させると風魔法の「声飛ばし」で街へ避難を呼びかけ、目印として火魔法の「火玉」を上空へ打ち上げる。
ルドが火魔法を使えればここをルドに任せて俺がみんなを迎えに行きたいところだが、狼煙や焚火の煙では被災した場所と区別がつかない。
よって定期的に「火玉」を上げ、「声飛ばし」で避難場所を案内するしかないのだ。
「津波が来るかもしれない。
西門から出て、小山に避難しろ。
目印は上空に撃たれる火球だ。」
自然回復する少しのMPを使って、「火球」を打ち上げ「声飛ばし」で街中に避難勧告をする。
この辺りは、河口の海に面した街で標高の高いような場所はほとんどない。
津波が来れば全部が流されてしまうだろう。
チート能力でなんとか?
何がチートだ。
人は自然の前では無力だ。
俺が持ってるすべての能力を限界まで使っても多分これが精いっぱいだ。




