表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/125

第六話

登録自体は簡単にできた。


心配していた文字が読めるかどうかも、拍子抜けするほど簡単に読めた。


登録用紙に必要事項を記入していく。


名前と種族、年齢、登録日だけが登録事項らしい。


低いランクでは、なにができるとか得意だとかも必要ないらしい。


ゆるゆるだ。


級が上がるときにもう少し細かい登録をするらしい。


それ未満は登録してもすぐに死んだりして、手間が増えるだけでメリットは無いのだとか。


シビアだ。


すぐにカードが発行された。


なんか金属っぽいような、日本で言えばキャッシュカードみたいな大きさのカードだ。


「再発行には銀貨1枚必要です。

 十回になると資格が停止されますから無くさないように気をつけてくださいね。

 それから有効期限はG級なので三ヶ月です。」


カードを渡されたときに、少し受付嬢と手が触れてドキッとした。


中身まで13歳になってしまったようだ。


実年齢からすれば娘でもおかしくないくらいなのに。


受付嬢も少し顔が赤くなったような気がするのは俺の気のせいだろう。


多分気のせいだ。


フラグメーカーになった覚えは無い。


渡されたカードを見てみると


 ジン・サカキ・クルーズ・ブレイド

 陸人族・男・13歳(イスタール王国暦201年時点)

 ランクG 賞罰無し


と書いてあるのがわかる。


日本語じゃないのに普通に読めるのが不思議だ。


普通は毎年一回はカードを更新しないといけないらしい。


ギルドランクは上からS級A級以下BCDEFGと続く。


登録したてはG級、一件依頼をこなせばF級に昇級。


なのでG級だけは有効期限三ヶ月のカード。


三ヶ月もあって一件も依頼をこなせないような奴はいらないってことか。


あとはそれぞれ昇級条件を満たせば上がっていき、それに伴って特典があったり増えたりするする。


まぁギブアンドテイクなので義務もあったりするのだが。


一番は緊急招集。


冒険者ギルドが必要と判断したときに、ギルドが置かれてる町にいる冒険者は、他の仕事を中断してもギルドに集まってギルドの支持に従う義務があるらしい。


この町のギルドでは数十年前に一度あっただけで、ほぼありえないことらしいが、ギルドメンバー最大の義務らしい。


魔物の大発生や襲撃なんかの町の危機っていうときに発動される強権らしい。


まぁしょうがないだろうねそれは。


召集はギルドで突く鐘の音で知らされるらしい。


緊急度に応じて、連打、三回の繰り返し、一回の繰り返しとなり、それぞれ、緊急集合、集合、翌朝集合となるのだとか。


あとG級では雑用的な依頼しか受けられない。


通常は登録してからすぐにF級に上がり、その後2~3年でE級に上がる。


死ななければ。


依頼は自分のランクの上下1ランクまで受けられるが、失敗すると最大で報酬金額の半額の賠償責任が生じるらしい。


ギルドの信用を保つためとのことだ。


なので特に上の級の依頼を受けようとすると、無理っぽいとギルド職員が判断すると受けさせてもらえないこともある。


上の級になると名指しで依頼があったりするらしい。


確かにギルド内の壁に貼られた依頼票はC級までしかない。


あとは、街中で武器や魔法を使った喧嘩をするな、法律は守れ。などのそんなん常識だろっていう注意を受けて手続きは終わった。


「あとは腕前を見せてもらって終了です。」


笑顔でとんでもないことを言いやがったこの受付嬢。


「うでまえ?」


「はい。訓練場の方で二、三人と軽く戦っていただきます。

 それすらできないようなら登録しても意味ないですし。」


満面の笑顔でとんでもないことを言いやがったこの受付嬢。


「十人抜きでワンランクアップのF級、二十人抜きでツーランクアップのE級で登録できますが、どうですか?

 まぁ今日は登録の人がいなくて、皆さん暇をもてあましているので半強制ですけど。」


満面の笑顔で死刑宣告しやがったこのアマ。


ドナドナド~ナド~ナ~。


どこからか音楽が響いてくる気がするなか、手を引かれて室内訓練場へ連行されている俺。


手を引かれるってことは手をつないでいるのだが、今はうれしさより鬱陶しさのほうが勝っている。


さっき手が触れたときのドキドキを返せ。


ちょっと早足なのも、俺と手をつないで居る時間を少しでも少なくしたいのかと邪推してしまう。


ネガティブ路線まっしぐらだ。


時間がかかるってこういうことか。


そりゃ護衛のオッサンも居なくなるわな。


よく考えてみよう。


一回の雑用の依頼でG級からF級にランクアップできるのだ。


それがなんで十人と戦わなくちゃならんのだ。


「えっと。なんでこんなことになってるんですかね?」


最後の抵抗くらいする権利があるだろう。


ごねてみる。


「十三歳で冒険者登録にくるなんて、よっぽど自信が無きゃできることじゃないじゃないですか?

 久々の大型新人の登場か。ってみんな大注目でしたよ。

 これで普通のG級登録だなんて、私ごとき新人では切り抜けられませんから。

 身体も立派ですし、イケメンですし。」


おばちゃんの方だったら切り抜けられたのかな。


あそこが俺のターニングポイントだったのだ。


俺の常識の欠如のせいでもあるのだろうけど、怪我護衛のオッサン教えてくれよ。


あの夜は、たしかに戦ってたし、鎚レベル2なりの戦いだったかもしれないし、光魔法も使ったし、魔物がでるあたりを一人で出歩いていたけど。


って考えて、変に納得した。


そんだけできりゃ自信あると思われても仕方ないか。


冒険者ギルドへ案内してくれって言ったのも俺だし。


こっちの常識で言えば、自信ありってことになるんだろう。


だれか常識の先生になってくれる人いませんかぁ。


ん?


そういえば誰か今イケメンとか言ってなかった?


そこんとこ追求しようとしたときに連行は終了した。


室内訓練場についてしまったのだ。


義務が二、三人と戦闘。半義務が十~二十人と戦闘か。


どこまでやったら勘弁してもらえるんだろうか。


「得物はなんだ。」


マッチョな凶悪ヅラのオッサンがニヤニヤしながら聞いてきた。


良かった。真剣を使った殺し合いじゃない。


訓練場の壁には木製の武器がやたらめったら多い種類が立てかけてある。


鎚系の武器はなにがあるんだろう?


壁に立てかけられた木製の武器の数々を物色していると


「治療院の割引券もありますから安心してくださいね。」


受付嬢のクサレアマのとんでもない発言も飛び出した。


自費かよ。


いらんわ。自分でやるよ。


つかイケメン発言は後でキッチリ教えてもらうからな。


バットに近い1メートル位の木の棍棒を選ぶと、訓練場の真ん中で凶悪ヅラに手招きされた。


あれが相手なんだろうか。


気が滅入る。


訓練場は室内ではあるが床は地面がむき出しだ。


道場みたいに木張りの床ではない。


実戦に即した訓練場なのだろう。


室内戦闘よりは室外戦闘が多いのは自明の理だ。


「ほう。防具はいらんってか。なめやがって」


凶悪ヅラがボソッと言う。


いやいや。そんな時間無かったじゃないですか。


すぐにストレージから出しますよ。


時間さえくれれば今すぐに。


この木製の武器だって急所に当たれば普通に死ねますよ?


防具無しなんて自殺行為でしょ?


時間はもらえなかった。


「ヌワンゴ来い。」


凶悪ヅラが訓練場でたむろしてた男たちの集団に声をかけた。


どうやら凶悪ヅラはリーダー的な存在か、ギルド職員なのだろう。


呼ばれたヌワンゴ君がやってくる。


多分十代後半。百八十センチ、百キロってとこか。


明らかに俺と体格違いますけど?


ヘビー級対フェザー級って位無差別ですけど?


まぁ対魔物で考えるならウェイト別に襲ってきてくれるわけじゃ無し、仕方ないことなんだろうけど。


手加減って言葉無いのかな。


ヌワンゴ君の得物は、体格に良く似合った両手持ちの大斧。


ハルバードってやつか。


2メートル位あるし、現物に重さをあわせるためか、刃の部分が分厚い木でハンマーみたいだ。


うわぁ、射程距離違う上にパワーが段違いなんだろうなぁ。


死なないために全力を尽くさねば。


とりあえず魔眼で相手を知らなきゃ。


敵を知り己を知れば百戦するも危うからず。


いい言葉だ。


不戦って選択肢があるならだが。


ヌワンゴ 陸人族・男・18歳 レベル2

スキル 無し

装備 布の服、大斧、革の胸当て

冒険者ランクF


レベル2でスキルは無しか。


冒険者初級者ってとこかな。


ランクFだし、最初は弱い奴から相手してくれるのかな。


ちっとも弱そうには見えないけどさ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ