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第38話

「じゃあさくさく探索進めちゃおう。十階からスタートだ。」


いつもどおり[ライト]をかけ、松明に火をつけてから[ダンジョン移動]で十階まで潜る。


昨日スキル付与できなかったのが残念だ。


やろうと思えば今でもできるんだけど、今までの流れを変えたくなかったのでやってない。


というか、ゆっくりとイチャコラしたかっただけだけど。


十階層に着くと、ボス部屋のある階層は人気が高いらしく、他にも何組かのパーティが見えた。


この分ではボス部屋も順番待ちになることだろう。


「ボス部屋は各階層にあるのか?」


イルペディアに聞いてみる。


「いえ。このダンジョンでは今のところ十階層と十五階層だけだそうです。

 ほかのダンジョンでは十階層ごとや毎階層などそれぞれの個性があるそうです。」


答えが返ってきました。


イルペディア半端ねぇ。


「低い階層は混むから十五階層まで行くのを今日の目標にしよう。

 とりあえず、十一階層に行ったらマップを買いに戻ろう。」


そう、十階層までしか地図を買っていないのだ。


現時点で十六階層までしか判明してないダンジョンで、十五階層は最前線過ぎる気がするが、ボス部屋の順番待ちをしていたら今日中に何回ボスと戦えるか分からない。


「そういえば貴魔魂石って、十階層のボスのでも十五階層のでもD級昇格には問題ないの?」


「特段問題は無いはずです。買取値も多少高くなるでしょう。」


イルペディアは即答だ。


あんまりイルばっかり頼ってるとサミーやヒルダが妬くかなと思って見てみると、なんも思ってないようでした。


「昨日の十階層は、魔物が異常に出てきたから気をつけていこう。」


昨日のペースで遭遇していては、消耗が早すぎる。


十一階層への最短距離をとりつつ、他のパーティの後を付いていく感じで、なるべく戦闘を減らそうとしてみるが、やはり何らかの気配察知系のスキルがあるのだろう。


あまり長く尾行させてくれるパーティは居なかった。


多分、なすりつけや強盗を警戒してのことだと思う。


俺でも、ずっと後ろを着いてくる奴らが居れば警戒するし、やり過ごすかカタをつけようとするだろう。


何組かのパーティをやり過ごし、十何度目の魔物との戦闘を経て、十一階層へとたどり着く。


ここから先は、地図を持っていないため、危険が大きい。


「一旦戻ってお昼にしよう。」


提案をすると、珍しく異見があった。


「とりあえず一度、どんな魔物がいるかだけ確かめてみてはいかがでしょう。」


めずらしく、サミーだ。


「なんで?

 なんか知ってんの?」


「昨日の十階層位の魔物が出るんであれば、魔物の強さが少し上がっただけで大事になると思います。

 十階層との強さの違いや、頻度の違いを確かめてみるべきかと。」


最もな意見だ。


いつの間にか俺もイケイケの判断をするようになっていたらしい。


慎重第一、安全第一。


第一が複数あることは棚に上げておこう。


似てるし問題ない。


「そうだな。サミーありがとう。俺も気づかなかった。」


サミーを撫でて褒める。


今まであまりなかった褒め方だ。


「いえ。私が奴隷になったのも、十一階層での出来事が原因でしたので、怖かったのかもしれません。

 そのときは、十階層ではあれほど魔物と遭遇しませんでした。なにか状況が違うかもしれません。」


そうだった。


サミーはたしかダンジョンで陸人族のパーティに襲われて、腕と足を失ったんだった。


よく見てみると手が震えているのか、武器がカチャカチャと音を立てている。


「わかった。

 じゃあ三回魔物と戦ったら、戻ろう。

 みんなそれまで全力で行くよ。」


あと三回の戦闘位なら、大丈夫だろう。今日は昨日ほど魔物と戦っていない。


サミーも普段と様子が違うことから考えると、いつもの実力を出せないかもしれない。


「誰か十一階層より深くダンジョンに潜ったことある?」


イルとヒルダに聞いてみる。


「私は、地上メインでしたので、ダンジョンは五階層程しか。」


「ダンジョンはご主人様に買われてから初めて入ったよ。」


どうやらパーティ内最深度到達者はサミーだったようだ。


「じゃぁ、サミーの意見が最も現実味のある意見だなっと、来たぞ。

 前から数匹っ。」


話している間にも前方から巨大な昆虫のような魔物が迫ってきた。






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