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第31話

「ごめんな、みんな。」


三人に謝る。


「知り合いとはいえ、今の俺はみんなのことをメインに考えなきゃいけないのに。」


でもみんな、分かってくれているようだ。


「替わりに身体で慰めていただければ。」


「私たちのご主人様です。分かってます。」


「おにいちゃんはそういう人だから好き。」


うん。でもすまない気持ちってのは、そう簡単には晴れないのよ。


とくに小心者の俺としては。


「海までも歩きになってしまったし。」


毎日[転移]で夜になったらデスタの街まで戻って、宿屋に泊まることにした。


翌朝は前日の地点まで[転移]で移動する。


そこからスタートだ。


片道徒歩で十日ほどの距離の町までだ。


一日八時間、時速四キロとして約三十二キロ。


十日で三百数十キロを徒歩旅だ。


東京から名古屋まで歩くことになったのだ。


俺だったらゴネたい。


「大丈夫です。毎晩癒していただきますから。」


「野営より環境的には良くなったかと。ベッドもありますし。」


「旅行楽しみなの~。」


慰められた。つくづくこの三人で良かった。


コマガに言われた「上級でなおかつ超級やんけ」の暴言なんてどうでも良い。


まだ手を出せてないことをうっかり言った俺の馬鹿。


商館を出るときの「超上級者様。またのご来館を」の台詞は痛恨の一撃だった。




ジェシカちゃんと奥さんには、古服を数着とメイド服をコマガの商館で買って与えておいた。


もちろんメイド系は俺が良いと言うまでは着るなと伝えておいた。


あの奥さんに油断は禁物だってことは分かっている。


たぶん着こなすだろうし、用途にも気づくはずだ。


いずれ俺の店で着せるための服だ。


財政破綻に近くなってしまった、我らのパーティ「バラエティ」は、移動の間もサボっているわけにはいかない。


ダメな大黒柱ですまん。


散歩くらいのゆっくりとしたペースで目的地のチョーシの村に向かうが、途中で襲ってくる魔物という魔物は全て瞬殺し、ストレージに収納する。


見つけた薬草は全て採りつくす。


食べられると確認できた、草、花、木の実も全てだ。


バラエティが通ったあとはペンペン草も生えないって言われるようになるんじゃないだろうか?


片道十日。


魔物を探す期間も考えれば、ほぼ倍の二十日だろうか。


それだけたてば雪がちらつくころだろう。


サミーは寒さに強いのだが、イルは弱い。


ヒルダは中間位か。


暑さは逆なんだろう。狼と豹だもんな。


あっちの世界で言えば狼は北の雪も降る辺り、豹は熱帯の辺りのイメージだ。


それを考えると、デスタの町はちょうど温暖湿潤気候みたいな感じなんだろう。


まぁ俺の生活魔法の[冷房]や[暖房]で何とかなるのだが、今は毎日[転移]でデスタの町まで帰って宿屋に泊まっているので、あまり[暖房]を使う機会はない。


途中で[コピー]に成功して、イルの長柄3も貰うことができた。


しっかしチートだなぁ、この魔法。




十日目の昼頃に村が見えてきた。


丘を越えた瞬間に海や灯台も同時にだ。


あぁこの風景。


ここで良い。


ここが良い。


この丘の上に拠点が欲しい。


海までまっすぐにいくつかの丘を越えていく道、灯台の白、海の青、空の蒼、雲の白、草原の緑。紅葉の花樹も色を副える。


大きな町や村の集落がちょっと遠いことなんて些末なことだ。


ここに海が見える露天風呂があれば、それでいい。


近くにある鬼桜の大木に時空魔法の転移の拠点1設定をする。


土魔法をマスターしてからここには帰ってくる。絶対だ。


そして城を築く。


村までの街道沿いに住宅と農地を整備する。


村まで少し距離があるが、ここも村の一部にしてしまえば問題ない。


何熊か忘れたが今すぐかかって来い。


瞬殺しちゃる。





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