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ニナとお星様

ここはとある病院。

真っ白な病室の中でニナは寝ていました。すると扉がガラガラと音を立てながら開き、大きな服を着て、大きなマスクをつけたお医者さんが入ってきました。


『ニナ、調子はどうだい?』


ニナは笑顔で答えます。


『うん!元気だよ!』


『それはよかった、じゃあお熱をはかろうか…』


そんな毎日の繰り返し、ニナは少し飽き飽きしてきました。お友達と遊びたいな、ママやパパと一緒に遊園地に行きたいな、おいしいものをいっぱい食べたいな。


みんなに会いたいな。


でもニナには出来ません、なぜならこわーい病気にかかっているからです。


ある日のことニナはいつものように病室で寝ていました、するとどこからか小さな小さな声が聞こえてきました。

ニナは恐る恐る話かけてみます。


『…誰かいるの〜?』


するとニナの目の前に綺麗な白いドレスを着たニナと同じくらいの女の子があらわれました。


『こんばんはニナちゃん♪』


ニナはまた笑顔で答えます。


『こんばんは!えぇと…あなたは誰?』


ドレスの女の子はクスッと笑うとニナの方に近づいてきます。


『ねぇ、ニナちゃん。突然なんだけど…今からどんなお願いでも叶えてあげるっていったらどんなお願いする?』


ニナはう〜んと声を出して悩みます。


『お願い事…

…そうだ!わたしねあれになりたいの!』


ニナは外を指差します、その先にはキラキラ光るたくさんのお星様がありました。


『あのね、わたしおばあちゃんから聞いたの、お星様はね、いつもみんなを見守っててくれてこのお空をキラキラ綺麗にしてくれるの♪

あとね、お星様っていつも他のお星様と一緒にいるでしょ?

だから…寂しくなくて楽しそうだなぁって!』


白いドレスの女の子はニナの頭をなでなでします。


『お星様だね、いいよニナちゃんのお願い叶えてあげるよ!』


その瞬間、ニナは白い光に包まれます。眩しくてニナは思わず目を閉じてしまいました。

白い光が消えた後、目を開けるとそこには一面の星空が広がっていました。


『うわぁ!きれい!』


ニナは嬉しくなって飛び上がりました。お星様になれたんだ!ワクワクして辺りを走り回りました、すると子供達が輪を作って遊んでいました。


『ねぇ!わたしも仲間にいーれーて!』


『いいよー!』

『一緒に遊ぼ!』

『名前なんて言うの?』

『どこから来たの?』


みんなニナに色々なことを聞いてきます。ニナはお友達と久しぶりにお話ができてとても嬉しそうです。


『ねぇニナちゃんはどうしてここにきたの?』


お友達の一人がニナに聞きます。


『わたしはね、真っ白な光がピカーって光ったらここにきたの〜。みんなは?』


『僕はおおきなクルマにぶつかったらここにきたよ。』


『わたしはね、川でみんなと泳いでたら苦しいよ苦しいよ、ってなってここにきたよ。』


『…こわーいおじさんがわたしを知らないところに閉じ込めて…よく覚えてないんだけど気づいたらここにいたんだー。』


ニナはよくわかりませんでしたが、お友達と遊びたかったのでたくさんお友達と遊びました。

すると、向こうのところにニナのおばあちゃんが居ました。

ニナは気づくと一目散におばあちゃんのところに走り出します。


『おばぁちゃーん!』


おばぁちゃんはニナを見ると大声で叫びました。


『ニナちゃん!なんでこんなところにいるの!早くここから出て行きなさい!』


ニナはびっくりしました。


『おばあちゃん!わたしニナだよ?覚えてないの?』


『ニナちゃん!ここにいたらダメ!はやく出て行きなさい!』


ニナは目から涙が出そうになりました。


『おばあちゃん…ひどいよ…

おばあちゃんなんてしらない!大っ嫌い!

…うぇーん!』


ニナは走り出します、その時目の前にまた白いドレスの女の子が現れました。


『ニナちゃん、お星様はどう?』


『もうやだ!やだやだやだ!お星様なんてやだもん!』


『そっか…じゃあ帰ろっか。』


白いドレスの女の子はがっかりしました、するとまた白い光がニナを包み込みます。





ニナは目を開けるといつもの病室にいました。

そして、扉がガラガラと開きお医者さんが入ってきます。


『…よし、もう大丈夫そうだね。じゃあニナちゃん今日で退院おめでとう!よくがんばったね!』


ニナはそれを聞いて喜びました。

ニナが病室を出るとママとパパが待っていました。


『ニナ!本当によくがんばったね!えらいえらい!』


『ニナすごいな!パパ、より強い子だ!ほら一緒に帰ろう。』


『うん‼︎』


ニナはクルマでお家に帰ります、その時病院でみた"夢"のことをママとパパに教えました。すると、ママは泣きそうな声で言いました。


『実はねニナ…おばあちゃんは昨日…』


ニナはそれを聞いてびっくりしました、そして心の奥がズキズキと痛みました。


『そんな…おばあちゃん…

…やっとおばあちゃんの言いたかったことがわかったよ。ごめんね、ひどいこと言っちゃった…

ごめんね…

ありがとうおばあちゃん…』


ニナはクルマの窓から空を見ました。

すると一つだけ大きくキラキラする星がありました。




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