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オゼリアプルートの幻想日記  作者: 鳳 翔平
15/16

その⑮ 雪女

今日は気温のわりにはずいぶんと冷えている気がするな。


そう思ったときは、そっと周りを見渡してみてほしい。


電線の上か、小高い木の枝の上か、


きっと彼女が歌を口ずさんでいるから。


腰まで延びた艶やかな青紫の髪をそよ風に揺らし、


襟に葵色をあしらった白い着物を纏う。


嫌でも目に入る口元の紅が麗しい和風美人。


それは雪女とも呼ばれる冬の精霊の一種だ。


旅人を凍りつかせて殺してしまったとか、


残酷な昔話や伝承もあるけれど、実際の彼女はそんなことはしない。


でも彼女の歌声を聞いた生き物は体温を奪われてしまう。


それは冬の間、生き物たちを冬眠という眠りに誘うための歌。


暖かくなるまでゆっくりとおやすみ、


そういった優しさがこもった歌なのだと僕は思う。


けっして命を奪い取るものじゃない。


結果として命を失った旅人がいたとしても、


それは重なった偶然がもたらした、ただの不幸な事故だったのだ。


まるで、つららで作った風鈴でも鳴らしているかのような


その美しい歌声に耳を傾けながら、


まだ春は遠いいなと思う昼下がりだった。


明けましておめでとうございます。


本年もつたない文章にお付き合いくださいませ。


さて、気がつくと総合評価が0→6ptになっておりました。

どなたかが評価してくださったのか、

大変ありがとうございます。



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