13/16
その⑬ 白銀の王 駆ける
どうも天気が芳しくない。
今年の年末は大荒れになりそうだ。
天気予報によれば、北極からの強い寒気が
やってきているそうな。
やっぱり、昼間見たのは間違いなかったのか
天空を駆ける、純白の三頭引き馬車。
冬の精霊達の頂点に立つ
白銀の王が駆る、氷の馬車だ。
道理で寒気が迫ってくるわけだ・・・
この白銀の王という人物は
黙って座っているという行為が一番嫌いなのだという。
(昔会った時にそう言っていた)
だから様子をうかがっては
隙を見て冬の宮殿から抜け出すと
氷の馬車を駆って逃げ出すのだ。
それに大臣が気づくやいなや
たくさんの兵隊達を引き連れて押し寄せるのである。
どうも今回の天気の荒れは少し長引きそうだ
天気予報でそう言っていた
それで考えると、白銀の王は
ずいぶんと優秀な馬を手に入れたようだ
あの調子ではしばらくつかまりそうに無いな
二、三日は除雪の覚悟でもするか・・・