目眩
掲載日:2026/05/01
フラフラと歩いていた。
どうして歩いていたのかもわからないぐらいの時間、ただただ、歩いていた。
何か欲しかったもの、手放したもの、夢、希望。
そんなものはとっくの昔に暗闇へといなくなった。
ただ俺は歩いている。
その事実だけが、俺の足を動かしている。
何が起きたか、ということを考えるのは無駄だと悟ったのはとうの昔のことだ。
細い道のようなところを歩き続け、歩き続けて。
そして唐突に、きづくことなく足元の道が消えうせた。
ふわりと浮かぶ力は重力がここにあることの証左であろう。
しかし、それは決してここでは働かない力だったようだ。
気が付くと現実の病室だった。
なんでも途中の道で倒れていたらしい。
どこまでが夢でどこまでが現実だったのかはわからないが、どうも助かったらしい。




