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全裸で異世界落ちした俺の、今日も誤解される街暮らし 〜魔法少女見習いと亡霊パンツと牢屋生活〜  作者: 月影ポンコツ


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エルミナ反省会 反省とは、たぶんこういうもの

牢屋の隅。


即席の椅子。


エルミナは、

背筋を伸ばして座っていた。


表情は、

真剣。



「では、

 反省会を始めます」


誰にともなく、

宣言する。



アキトは、

壁にもたれて腕を組んだ。


「誰が主催?」


「私です」


即答。



ラーデンは、

胡座をかいて

にこにこしている。


「ほうほう」



「まず、

 今回の問題点ですが」


エルミナは、

指を一本立てる。


「……感情が、

 少しだけ

 前に出すぎました」



「少し?」


アキトが

即ツッコむ。


「全力だったよな」


「“少し”です」


譲らない。



「ですが!」


二本目の指。


「アキトさんが

 無事に戻ってきたので、

 結果的に」



「成功です!」



「どこがだ!」



ラーデンが、

うんうんと

深く頷く。


「結果オーライ理論じゃな」



「次に、

 改善点です」


エルミナは、

三本目の指を立てる。


「次からは、

 勢いを

 もう少し抑えます」



「抑える気はあるんだ」


アキトが、

少し感心する。



「ただし」



「次も、

 たぶん抱きつきます」



「改善してねえ!」



ラーデンが、

大笑いする。


「ほっほっほ!

 これは

 成長の兆しじゃ」


「どこが!」



エルミナは、

真面目な顔で

メモを取る。


「抱きつく前に

 深呼吸……

 深呼吸……」



「いや、

 メモする内容それ?」


アキトが

呆れる。



「以上で、

 反省会を終わります」


ぴしっと

立ち上がる。


「……反省しました!」



「してないだろ」



ラーデンは、

満足そうに頷いた。


「うむ。

 通常運転じゃ」



牢屋の空気が、

完全に戻った。


やかましくて、

安心する。


反省はしなかったが、いつもの牢屋は戻ってきた。

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