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全裸で異世界落ちした俺の、今日も誤解される街暮らし 〜魔法少女見習いと亡霊パンツと牢屋生活〜  作者: 月影ポンコツ


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エルミナ反省会 反省は次に活かされない

牢屋。


夜。


今日は、

やけに静かだった。


アキトは、

壁にもたれて座っている。


「……」


いつもなら

何か壊れるか、

何か囁くか、

誰かが怒る時間だ。


エルミナ

「じゃあ……

 反省会、始めましょう!」


アキト

「なんで元気」


ラーデン

「反省会は

 元気な者がやるものじゃ」



エルミナ、

記録帳を開く。


「今日の反省点、

 一つ目!」


指を立てる。


「魔道具は

 近づくと壊れる」


アキト

「結論を言うな」


「はい!

 二つ目!」


「壊れなかったのは

 すごい進歩」


「違う」


ラーデン

「儂は

 壊れなかった方に

 一票じゃ」


アキト

「甘やかすな」



エルミナ、

少し考える。


「三つ目……」


急に、

真面目な顔になる。


「……アキトさんは、

 悪くないです」


アキト

「……」


ラーデン

「ほう」


「壊したいわけでも、

 困らせたいわけでも

 ないですもん」


一瞬だけ、

空気が止まる。


……が。


「なので!」


勢いよく顔を上げる。


「壊れない方法を

 考えます!」


アキト

「そこが

 反省じゃない」



エルミナ、

ページをめくる。


「案その一!

 アキトさんを

 ふわふわに包む!」


「それ隔離だろ」


「案その二!

 魔道具を

 全部ゴム製に!」


ラーデン

「文明が後退するぞ」


「案その三!」


身を乗り出す。


「私が

 全部魔法で

 制御します!」


アキト

「一番ダメ」



しーん。


エルミナ、

きょとん。


「……え?」


アキト

「今日の検査、

 覚えてる?」


「はい!」


「失敗率」


「……ほぼ百です!」


胸を張った。


ラーデン

「反省とは」



少し沈黙。


エルミナ、

指で帳面をなぞる。


小さく、

言う。


「でも……」


顔を上げる。


「一人にするのは、

 嫌です」


アキト

「……」


ラーデン

「ほう」


「反省は、

 しますけど!」


笑う。


「一緒に

 考えるのは

 やめません!」


アキト

「それ反省じゃなくて

 宣言だろ」



その頃。


廊下。


隊長が、

扉の前で立ち止まっていた。


「……」


中から聞こえる声。


「ゴム案は却下です!」


「文明守れ!」


「じゃあ布!」


「さっき裂けた!」


隊長は、

静かに天井を見上げた。


「……隔離案、

 出すしかないな」


今日も牢屋は……反省が反省にならない場所だった。

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