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全裸で異世界落ちした俺の、今日も誤解される街暮らし 〜魔法少女見習いと亡霊パンツと牢屋生活〜  作者: 月影ポンコツ


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エルミナの反省会(反省しない)

夜。

牢屋は静かだった。


……少なくとも、

始まるまでは。


エルミナは牢屋の中央に正座し、

なぜか真剣な顔をしていた。


エルミナ

「では始めます。

本日の反省会です」


アキト

「誰に許可取った」


ラーデン

「取っておらんのう」


エルミナは帳面を開く。

表紙には大きく書かれていた。


【反省ノート(改善予定)】


アキト

「“予定”って書いてある時点で嫌な予感しかしない」


エルミナ

「まず一つ目の反省点です」


ビシッと指を立てる。


「アキトさんが触る前に、

私が止められなかったこと」


アキト

「そこ!?」


ラーデン

「反省の方向が逆じゃな」


エルミナ

「もし私が先に止めていれば、

隊長同行なんてことには……!」


アキト

「街が消し飛んでる未来しか見えない!」


エルミナ

「二つ目!」


帳面をめくる。


「市場で静かにできたのに、

もう少し元気よく喜んでしまったこと」


アキト

「それ反省なの!?」


ラーデン

「静かに喜ぶのは高度じゃぞ」


エルミナ

「次からは、

心の中で“わーい”します!」


アキト

「無理だろ」


エルミナは真顔で頷いた。


「三つ目の反省点です」


一瞬、間が空く。


「隊長に“問題吸引体質”って

言い換えてあげなかったこと」


アキト

「余計な配慮いらん!!」


ラーデン

「それは褒め言葉扱いか?」


エルミナ

「はい!

アキトさんは街の問題を

全部集めてくれるんです!」


アキト

「ゴミ箱みたいに言うな!!」


エルミナは帳面を閉じ、

満足そうに息を吐いた。


「以上で反省会を終わります!」


アキト

「待て待て待て。

反省した結果、何が改善されるんだ?」


エルミナ

「はい!」


にっこり。


「次は、もっと役に立ちます!」


アキト

「具体性ゼロ!!」


ラーデン

「つまり何も変わらん、と」


エルミナ

「でも安心してください!」


アキト

「何をだよ」


エルミナ

「アキトさんが大変な時は、

私、全力で応援します!」


アキト

「それが一番危ないんだよ……」


そのとき。


くすっ。


どこからか、

あの声。


『反省とは、

同じことを繰り返すための準備です』


アキト

「パンツ黙れ!!」


エルミナ

「わぁ、

今日は優しいこと言いますね!」


ラーデン

「完全に馴染んどるな……」


こうして牢屋では、


反省しているつもりで、

何も反省していない反省会


が、

毎晩の恒例行事として

定着していくのだった。


今日も牢屋は……反省が、反省してなかった。

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