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全裸で異世界落ちした俺の、今日も誤解される街暮らし 〜魔法少女見習いと亡霊パンツと牢屋生活〜  作者: 月影ポンコツ


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囚人ファッションショー開催

その日、牢屋はいつもより明るかった。

理由はただ一つ。


囚人ファッションショー開催。


牢屋で。

囚人が。

ファッションショー。


完全に狂っている。


エルミナが張り切って縄を引っ張る。


「はい! この縄を“ランウェイ”に見立てます!」


「ただの縄じゃん!?」

アキトが叫ぶ。


「雰囲気です!」

「雰囲気でランウェイ作るな!」


ラーデンじいさんは落ち着いている。


「観客席はワシが描いておいたぞ」

 壁に観客の絵が描かれている。


「誰だよその妙に拍手してる人達!」

「ワシの元弟子たちの予定じゃ」

「予定て何!?」


 エルミナは手作りのマイク(棒と小石をくっつけただけ)を掲げた。


「それでは、牢屋ファッションコレクション 00-01(ゼロゼロイチ)!開幕です!!」


「そんな年号っぽいネーミングやめろ!」

 アキトのツッコミが響く。

「では最年長のラーデンさんから!」


 ラーデンじいさんは、囚人服に謎のマントをひらりと翻しながら登場。


「おお……歩き方がプロ……?」

アキトが呟く。


「ワシは若い頃、舞踏会荒らしのラーデンと呼ばれ――」

「呼ばれてねぇだろ!」

「ちょっとは呼ばれたわい!」


エルミナ

「本日のテーマは “囚われし魔術師、夜明けの反逆” です!」


「テーマ壮大すぎる!!」


ラーデンは最後に杖を振り上げ、決めポーズ。


ドヤァァァ。


なぜか壁の客席絵が拍手してるように見えた。

エルミナが軽やかに飛び出す。


囚人×衛兵×魔法少女が全部混ざったカオス衣装。


「エルミナ、テーマは?」

「“更生支援と魔法少女は両立できる説”です!」


「できねぇだろ!!」


 だが彼女は本気でかわいくクルッと回転。


 ひらっとスカートが揺れ――


アキト「あ……(ちょっと可愛いって思った)」

ラーデン「ほぉ……」


「最後はアキトさんです!!」


「出たくない! 絶対出たくない!」


「はい、出場者どうぞー!」

 無理やり背中を押される。


アキトの衣装は

・ぴったりして妙にスタイルが良く見える囚人服

・胸に星マーク

・袖にライン

・裾が何かフワッと可愛い


「これ俺だけ方向性おかしくない!?」

「似合ってます!」


「似合ってんのが嫌なんだよ!!」


 ラーデンじいさんは腕を組む。


「うむ。これは“煩悩に揺れる青年の反逆”じゃな」

「勝手にテーマつけんな!!」


 アキトはしぶしぶランウェイを歩き、折り返し地点でなぜかポーズを取らされる。


エルミナ「はい、そのまま笑顔で!」

「囚人に笑顔を要求するなぁぁ!!」

その時。


バンッ!!


隊長が飛び込んできた。


「お前たち……なにをやっているッ!!」


「ファッションショーです!」

エルミナが誇らしげ。


「誇るな!!」


隊長は怒りに震えながら、

アキトの胸の星をまじまじと見つめる。


「……その星……」


「え、気に入ってるんです?」

アキトが挑発気味に言う。


隊長はぷるぷる震え


「ち、違う!! だが……その……」


小声で


「……自分の分も……いつか……」


牢屋全体「気に入ってるじゃねぇか!!」

こうして、牢屋なのにお洒落な時間が流れた。


アキトはため息をつく。


「……なんで俺、囚人服でランウェイ歩いてんだ」


エルミナはノートに大きく書き込む。


『第1回 牢屋ファッションショー:大成功!』


ラーデンじいさんは満足げに頷く。


「次は“季節コレクション”じゃな」


アキト「隊長が卒倒するわ!!」


牢屋生活は、今日も平和(?)である。



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