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全裸で異世界落ちした俺の、今日も誤解される街暮らし 〜魔法少女見習いと亡霊パンツと牢屋生活〜  作者: 月影ポンコツ


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魔力操作に目処がついた日、牢屋にて

草原での四日間が終わり、

アキトは久しぶりに“いつもの場所”牢屋に戻ってのんびりしていた。


「……やっぱ落ち着くな、ここ」


ベッドは硬い。

壁は冷たい。

なのに、妙に安心感がある。


魔力は静かだった。

漏れていない。

近くの鉄格子も、壊れる気配がない。


「よし……少なくとも、

 何もしなければ何も起きないところまでは来た」


それだけで、かなりの進歩だ。


エルミナは向かいの椅子で、記録帳を開いている。

「すごいです、アキトさん!

 四日目なんて、魔力出しても壊れませんでしたし!

 ちょっとネガティブになってましたけど!」


「そこは成長としてカウントしていいのかな……」


ラーデンは寝転がりながら、

「大量行使で思考が沈むのは典型的じゃな。

 制御が始まった証拠でもある」

と、珍しく真面目だった。


そのとき。


ガチャ。


牢屋の扉が開いた。


空気が、一瞬で変わる。


「……お前たち」


低く、重たい声。


全員がそちらを見る。


立っていたのは、

隊長だった。


顔色は悪い。

目の下に、はっきりとしたクマ。


書類の束を抱え、

明らかに「嫌な予感しかしない」雰囲気を纏っている。


「ちょっと聞きたいことがある」


アキトは背筋を伸ばした。

(あれ? 今の俺、たぶん大丈夫なはずだよな……?)


「……はい?」


隊長は一歩前に出て、言った。


「最近、街の外れの草原で

 地形が整地され、思考が沈む謎現象が報告されている」


エルミナが元気よく手を挙げる。

「それ、アキトさんです!成長してます!」


「報告するな!!」


隊長はこめかみを押さえ、低く唸った。


「……つまりだ。

 お前は」


ゆっくり、確かめるように言う。


「壊さずに魔力を使えるようになったのか?」


牢屋が、しんと静まり返る。


アキトは少し考えてから、正直に答えた。


「……はい。

 たぶんですけど。

 使いすぎると、

 『どうせ俺なんて草以下だし……』ってなります」


「余計な情報を足すな!!」


隊長は叫び、

その場で深く息を吸った。


そして。


「……分かった」


不吉なほど、落ち着いた声で言う。


「なら話は早い」


アキトの背中に、嫌な汗が流れる。


隊長は、ゆっくりと告げた。


「正式に、お前の魔力を“管理対象”にする」


エルミナが固まる。

ラーデンがにやりと笑う。


アキトは悟った。


 今日も牢屋は

落ち着いたら、次の地獄が来るやつだった。




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