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全裸で異世界落ちした俺の、今日も誤解される街暮らし 〜魔法少女見習いと亡霊パンツと牢屋生活〜  作者: 月影ポンコツ


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パンツ(残響)が勝手に口出す

公式グッズ第一弾の会議は、

牢屋の一角に置かれた長机で行われていた。


「では確認します」

隊長はこめかみを押さえながら書類をめくる。

「“アキト・監修”公式グッズ第一弾。

ミニ牢屋模型、見学記念木札、寝相再現ぬいぐるみ……」


「最後のやつ、誰得ですか」

アキトは即座に突っ込んだ。


「観光客です」

即答だった。


エルミナは目を輝かせている。

「アキトさん! このぬいぐるみ、寝相が三段階あるんですよ!

〈通常〉〈荒れ〉〈伝説〉です!」


「伝説って何だよ……」


ラーデンは模型を手に取り、感心したように言った。

「ほう、牢屋の湿気まで再現しておる。

このカビ表現、なかなかの職人技じゃ」


「褒めないでください!」


その時だった。


カサ。


アキトの耳元で、懐かしい声がした。


『ご主人……その配置、甘いですよ』


アキトの背筋が凍った。


「……今、聞こえました?」


「何がだ?」

隊長は顔も上げない。


『木札の紐、もっと太く。

切れたら“縁起が悪い”って言われますからね』


「うわぁぁぁぁぁっ!!」


アキトが立ち上がる。

「やっぱりいる! パンツいる!!」


エルミナは即メモを取った。

「記録帳……じゃなくて、えっと……裏帳かな?」


「書くな!」


『それとですね、ご主人』

声はやけに楽しそうだった。

『ぬいぐるみ、夜中に倒れる仕様にしましょう。

“再現度”って大事です』


「いらねぇリアル!!」


ラーデンが腕を組んで頷く。

「ほう……残響ながら商才はあるのう」


「賢者、肯定しない!」


隊長はついにペンを落とした。

「……誰か、今、意見言ったか?」


沈黙。


アキトだけが青ざめている。


『あ、すみません』

パンツの声が少し控えめになる。

『公式って聞いたら、つい……』


「ついじゃない!!

お前は展示禁止! 発言権なし!!」


『では監修だけで』


「それが一番ダメなんだよ!!」


エルミナは満面の笑みで言った。

「でも隊長、話題性は抜群ですよ?」


隊長は天井を仰いだ。


「……この街は、どこへ向かっているんだ……」


その足元で、

公式グッズ企画書の隅に、いつの間にか赤い文字が増えていた。


【パンツ監修(非公式)】


誰も、消し方を知らなかった。


 今日も牢屋は……商品企画より、パンツの意見が一番通る。

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