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全裸で異世界落ちした俺の、今日も誤解される街暮らし 〜魔法少女見習いと亡霊パンツと牢屋生活〜  作者: 月影ポンコツ


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公式グッズ案が出て隊長が死ぬ⁈

その日、牢屋はいつもより騒がしかった。

原因は観光客でもパンツでもなく紙の束だった。


「……これは、何だ」


隊長は机に置かれた企画書を見下ろし、ゆっくりと頭を抱えた。


「えへへ! 見学コース、大好評なので……

 公式グッズ化案、まとめてみました!」


満面の笑みで差し出してくるのはエルミナだった。

その後ろで、アキトは嫌な予感しかしない顔をしている。


「待て。

 “まとめてみました”と言ったな?」


「はい! 記録帳と観光客の声を参考に!」


隊長は震える手で一枚目をめくった。



・牢屋公式パンフレット

 『今日も牢屋は元気です』


「タイトルで煽るな!!!」


「えっ、ダメですか? 語感よくないです?」


・アキト等身大(やや誇張)木彫り像


「誇張って何だ!」


「魔力漏れ感を盛りました!」


「盛るな!!!」


・呪われたパンツ(レプリカ)※非装着推奨


「なぜ推奨が必要なんだ!!」


アキトが小さく呟いた。


「……俺、まだ死んでないよな?」


・寝相再現クッション(夜間限定販売)


「夜間限定!?」


「はい、夜に売ると雰囲気出るので!」


・エルミナの観察記録帳(抜粋版)


隊長の顔色が変わった。


「……抜粋とは」


「えっと……

 “アキトさん、今日は壁に頭突きしてました”とか

 “牢屋で三時間正座して反省してない”とか……」


「機密は!? 人権は!?」


ラーデンが楽しそうに口を挟む。


「わしの項目は?」


「えっと……

 “じじい、今日も勝手に料理してた”です!」


「雑!」



最後のページをめくった瞬間、隊長は完全に沈黙した。


・将来構想

 『牢屋フェス』開催案


「……」


「隊長?」


「……」


「隊長さま?」


「……私は」


ゆっくりと顔を上げ、魂の抜けた声で言った。


「治安を守る仕事をしていたはずだ」


そのまま、机に突っ伏す。


ゴン、という鈍い音。


「た、隊長!? しっかりしてください!」


「胃が……胃が……」


アキトは天井を見上げた。


「なあエルミナ。

 これ、誰が許可した?」


「え? 仮雇用中のアキトさんも

 “観光資源の一部”って書いてありましたよ?」


「書くな!!!」


ラーデンは満足そうに頷いた。


「うむ。

 牢屋も、立派に街を支える産業じゃな」


隊長の机の下から、か細い声が聞こえた。


「……次に出てくる企画は、せめて人が死なないものにしてくれ……」


エルミナは元気よく答えた。


「はい! 次は期間限定コラボ案です!」


「聞いてない!!!」


その日、

隊長の胃痛は公式記録として残された。


 そして牢屋は、また一歩だけ“普通の職場”から遠ざかった。

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