カラフルな女神×チャットGPT
春の風がふわりと街を撫でたその日、
古びた商店街の外れにある小さな画材店に、
一人の青年がふらりと入ってきた。
青年の名は 蒼太。
絵を描くことは好きだが、最近は色を使うのが怖くなっていた。
どんな色を選んでも、なぜか心にしっくりこない。
白いキャンバスだけが部屋に増えていく毎日だった。
店の奥に進むと、鮮やかな色が塗られた棚の前に、見慣れない少女が立っていた。
虹色の髪がひらりと揺れ、瞳の奥には万華鏡のように無数の色が映っている。
まるで絵の具が人の形を取ったような、不思議な存在感。
「色に迷ってるの?」
少女が微笑むと、蒼太の胸の奥に、春の陽だまりのようなぬくもりが広がった。
「……わかるの?」
「わかるよ。色はね、その人が一番触れて欲しい場所を映すから。」
少女はそう言って、棚から小瓶を取り出した。ふつうの絵の具とは違い、瓶の中で色がゆっくりと揺れ、光を放っている。
「これは?」
「あなたが選ぶ色を、あなたの代わりに泣いたり笑ったりしてくれる絵の具。——私が作ったの。」
少女は軽く胸を張った。
「あなたは……誰?」
蒼太が尋ねると、少女はひとつ瞬きをして、いたずらっぽく笑った。
「カラフルの女神。色を迷う人のところにだけ現れるの。」
突拍子もない言葉なのに、不思議と嘘だと思えなかった。
少女は蒼太の手を取り、外の光の差しこむ場所へ導いた。
「ほら。あなたの世界を、もう一度塗ってごらん。」
蒼太がキャンバスに向かうと、少女の絵の具はまるで呼吸をするように発色した。
青は広い空のように伸び、赤は心臓の鼓動みたいに脈打ち、黄色はあの日の笑い声を思い出させる。
いつのまにか、蒼太は夢中で色を重ねていた。
あれほど怖かった色たちが、今はただ懐かしい友達のように寄り添ってくる。
絵が完成した瞬間、少女がぽつりと言った。
「ね、あなたにはこんなに素敵な色があるじゃない。」
蒼太が振り返ると、そこにいたはずの少女の姿はもう消えていた。
残されていたのは、ひとつの小瓶。光を宿しながら、静かに揺れている。
——君は本当に女神だったのか?
それとも、僕の心が見せた色だったのか?
答えは風の中に溶けていったが、蒼太の世界はもう、白いままではなかった。
彼のキャンバスには、あの日出会った少女のように、
無数の色が息づいていた。




