浮気がギャグ扱いされる時代を生きて転生した令嬢が浮気された場合
「マリアンナ、僕が本当に愛するのは君だけだよ」
「あぁ、ライル王子……」
「結婚しよう、あの女とは婚約破棄するから
「うれしいわ、そこまで思って頂けるなんて」
近付く唇、情欲を孕んだ互いの瞳。
私は草むらから飛び出した。
「まーた浮気ですわね殿下ぁぁぁ!」
「ひょえ!?サンディ!?」
「浮気者には、電流ですわー!」
バリバリバリバリー!!!
「うぎゃあああ!?」
「ぎゃああああ!?」
この日の為に勉強する間も惜しんで習得した我が雷魔法を喰らえー!
この世に魔法があると知って喜んだ3歳の頃!
この世に雷魔法なるものは知らないと絶望した5歳の頃!
自分の魔法適性が闇属性だと知った時の6歳児!
それでも雷魔法を使う為に適性のない水魔法を修練し続けた7歳児!
雷魔法をぶつける為だけに当時女たらしで有名だった王子の婚約者に名乗り出た8歳児!
それから修練を積んで積んで積んで、ようやく天誅だっちゃー!
そーれバリバリー!っと、魔力やべ。
これ、かなりコスパ悪いんだよねぇ。
ただでさえ適性のない水魔法で作った水を冷やして小さな氷粒にしてそれを擦って擦って擦りまくって電気作ってるので、とてつもなく大変で面倒臭い。
「あら、2人とも泡吹いて倒れてるわ」
情けない、浮気するなら例え電流を食らったとしても女に抱きついて愛を囁くぐらいの根性見せんかい。
しかしこれからこの男は他所の女に浮気して浮気して浮気しまくるのだろう。
くふふ、私が人生を掛けて習得した雷魔法が火を噴くぜ。
さて、私に浮気現場を見咎められ、電流を食らった王子は……
「済まなかった、彼女との事は出来心だったんだ。
心を入れ替えるから許して欲しい」
私に許しを乞うてきた。
は?なにこれ、つまらん。
我が家にやってきて土下座してくる王子を私は冷たい目で見下ろした。
違うだろ、お前がやる事は私に土下座する事じゃない。
懲りもせずに別の女を口説いて私に電流を食らう事のはずだ。
「はぁ〜。
たかが電撃一発食らって諦める程度の気持ちで、私を放っておいて他所の女を口説いたのですか?」
「済まない、君がここまで怒ると思わなかったんだ。
でも僕は目が覚めた、君の怒りで、僕は自分の過ちに気付いたんだ」
気付くなよ、私が人生賭けて習得した雷魔法をもっと使わせろよ。
浮気するならもっと信念持てよ、不屈の心を見せろよ。
貴様は浮気に人生賭けてたんじゃないのか?あ?
「もうしない、絶対しない、誓約書を書いてもらって構わない。
君のあの電撃を喰らうのはこりごりだ」
懲りるの早ぇよ、もっと電撃使わせろよ、私の人生一撃で終わらせるなよ。
「……誓約書はいりませんわ。
殿下のその言葉が聞けるだけで充分です」
だから過ちの痛みなどとっとと忘れてくれ。
そしてまた、同じ事を繰り返して私に電撃を放たせてくれ。
その後、王子は浮気する事がなくなった。
パーティの時は必ずエスコートしてくれるようになり、誕生日には豪華なプレゼントを贈ってくるようになった。
それから学園も卒業して普通に結婚してしまった。
私はとっても消化不良だった。
今時の男は根性がなくてつまらない。
うる◯やつらネタを描きたかっただけ。
世代じゃないけど親が読んでたから昔はめっちゃ読んでました。
そのせいか浮気には死をってほど恨み腰にはなれない人間に育ちましたが。
浮気の罰なんて電撃か賠償金程度でよくね?となってしまいます。
残念ながらライル王子は根性ない浮気系男子なので、一発天誅食らったら怖くなって浮気出来なくなりました。
折角覚えた雷魔法、哀れ。




