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道行き

作者: 小池竜太

僕は多くを失った。その代わりに多くの詩を得た。

そのことが少し悲しかった。  


昔から僕は沢山の大切な友達を失ってきた。理由は簡単、僕は友達が何か一つ悪さをすると、すぐに関係を切ってきた。


それで多くを失った。

それで、大切な人を失った。


小学校、中学校で得た友達はみんなどこかへ居なくなってしまった。


やがて僕は詩に目覚めて詩人になった。詩人になって何かを失った。けれども詩は僕に応えてくれた。


僕の性質は一向に変わらない。なぜか·····それは、僕の頑固な性格にあった。

得難き友を得たと思ったらいつの間にか失ってしまった。

得難き人を得たと思ったらいつの間にか別れてしまっていた。


それでも僕は詩を書かなければならない。詩を書いて前進しなければならない。なぜなら詩をが僕の生命だから····詩が僕の生きがいだから······



ある時、一人の詩人が僕に詩の技術について質問してきた。

僕はそれを断ってしまった。

ある時、一人の小説家が僕に彼の小説について意見を求めてきた。

僕はその人も断ってしまった。


僕の詩は売れない。僕はバーで大酒を飲んだ。


僕はバーテンダーに言った。

「どうして人生は複雑に出来ていて、世間は僕ら詩人を手ひどく扱い、僕らは隅でこっそり、酒を飲むしかないのですか?」

「·····それはあなたが人に冷たいからです」

「·······」

「あなたはずいぶん人に冷たくしていたのでしょう?」

「そうですね·······」

「そうです。原因は己にありです」

「では、このことは·····」

「あなたの人への接し方が治れば、治りますよ」

「·······ですね」

その晩は僕はそのバーテンダーにずいぶん慰められた·····


僕はその後、一つの詩を書いた。僕の過去とそれからについての·····


そうして1年後、僕は、大分変わった。だんだん知り合いや友達も増えてきた。


これからが僕にとって人生の正念場だろう。そうして彼女にとっても·····


きっとうまくいく。きっとうまくやる。


だから見ていて下さい。僕や頑張る他の人々を·····



僕らの行く道の先にはオアシスがあり、路を急ぐ他の人々もいる。僕は、ゆっくりと歩いていく。他ならぬ僕だけの道を·······

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― 新着の感想 ―
[一言] 「原因は己にあり」というバーテンダーの言葉が刺さりました。 人は自分を映す鏡なのかも。 自分が好意を持てば良いように、悪意を持てば悪いように見えてくる。 それでも悪い気持ちを捨てきれないのが…
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