『メッセージおじさん』
毎日、17時に、一定のスピードであるメッセージを伝えている男がいた。
その男は、全国各地でそのメッセージを伝えてまわっていた。
今日も、その男は当たり前のようにメッセージを伝えるために17時を心待ちにしていた。今日はたまたま、その男の住処からメッセージを伝える日だった。
その男は、全国に顔が知られており、「メッセージおじさん」と呼ばれていた。見かけた人は、口々に、「メッセージおじさん」と呼びかけ、子供には何かを投げられ、お節介なおばちゃんからは、小言を言われ、すごくお人好しな人からはお金をもらう。
その男は、その呼びかけを聞いて満足そうに微笑む。メッセージが伝わって嬉しいと言わんばかりに。
あと30秒で17時になる。どこの方角が一番人がいるか見渡す。その男の住処は、360度見渡せるのでどこに人がいるかはすぐわかる。ボロボロな服を来て、寝癖がついたままの頭を気にせずに深呼吸をする。
あと10秒。もう一度深呼吸をする。
あと5秒。
4、
3、
2、
息を大きく吸った。
17時00分00秒から叫び始めた。
『私は!!!!メッセージおじさんだ!!!!!!!!!!私を見かけた者は!!!!必ず!!!!メッセージおじさんと呼びかけるように!!!!!!!!!!しなかった者には!!!!私が後ろから抱きつかせていただく!!!!!!!!!!』
この男は、メッセージおじさん。本名など、誰も知らない。ただの無職のホームレスで、無料の賄いを探して、全国に現れる。悪い意味で有名になってしまっていた。
そして毎日、同じ時間に自分の名前とかまってちゃんぶりを大声で宣言している。
まともじゃなくて、汚い人から後ろから抱きつかれるとか嫌すぎるので、不幸にも見かけてしまった人は仕方なく、仕方なく、嫌そうな顔をしながら「メッセージおじさん」と呼びかけている。
この男は。ただの、気がおかしくなってしまった年寄りだ。
...という、走馬灯を見た。そして、考える間も無いまま、私は意識を失った。一瞬、誰かが視界の隅に写ったような、そんな気配を感じながら。
最後の解釈は、みなさんそれぞれにお任せします。
この作品がよければ、感想やいいねお願いします!
よろしければ、他の作品も見ていただけるとありがたいです。
ご覧いただき、ありがとうございました。




