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憐れな男の大阪旅行1日目


大阪は私にとって都会です。


 12月に友人と行った松山旅行と違い、高速バスを使って大阪まで行かなければならない。そのため、早朝から旅行の準備に取り掛かった。旅行の計画はインターネットで調べながら立てており、大阪府から帰られなくなる可能性を取り除いている。


 計画に沿って行動すれば駅の何番ホームに行けばいいかと迷う必要がない。家を飛び出した私は道中のコンビニでフルーツサンドイッチを買った。自転車を必死にこいだおかげか、何とか高速バスの出発時刻までに到着し、早めの朝食を食べる。


 到着するまでの約3時間30分、仮眠をしようと思うも無事に帰宅出来るかという不安が湧き、どうにも落ち着けなかった。小説を読む事は帰りの高速バスですると決め、窓から兵庫県や大阪府の景色を眺める。


 松山旅行の際は電車を使い、最後に大阪へ行った時がフェリーと電車を使っていたため、随分久しぶりの移動手段だ。高速バスにUSBポーターが付いているおかげで、すぐ充電が無くなってしまうスマートフォンを持つ私は非常に助かる。


 JR大阪駅バスターミナルに到着してからすぐ私は阪急うめだ本店に向かい、開店時間まで列に並んだ。複雑な構造で迷路として有名な渋谷駅と同じく様々な路線があるJR大阪駅は、設置されていた地図を参考にしてすら迷う。


 私が重度の方向音痴である事も恐らく関係している。1人で旅行した時は必ずといっていい程、迷っている。開店の10時になり、地下1階の食品売り場を歩き、目的の店を探した。しかし、何度探しても見つからないため、近くの店員に訊くと私は勘違いしていたようだ。


 阪急うめだ本店と阪神百貨店は大阪駅から近い場所にあり、私が行かなければならない百貨店は反対側だった。阪神百貨店の地下1階にあるスナックパークというフードコートはとても充実した店揃いとなっている。


 このままスナックパークで回転焼き(今川焼)とお好み焼きを食べて帰りのバスに乗るのも悪くないと思う程だ。まず最初に大阪で食べるイカ焼きは、クレープのような生地にイカが入っている値段が電車の初乗りと同じ料理だ。


 イカをあまり好まない私も美味しいと思える素晴らしい味だった。地元で販売していない事がとても残念だ。昼食を食べるため、梅田駅から新深江駅へ移動する。事前に用意した計画表のおかげで難なく乗り換えも出来た。


 しかし、新深江駅の出口から目的のラーメン屋へ向かうも見つけられず、結局、コンビニの店員に訊かなければならない。数人しか座れないようなこじんまりとしたラーメン屋で所謂高井田ラーメンと呼ばれている中華そばを食べた。


 ソーキそばのような太い麺と鶏ガラと昆布を使った醤油味のスープが特徴的だ。醤油ラーメンを好む私にとって毎日でも食べたい味だ。まだ食べる余力がある私は新深江駅に戻り、動物園前駅まで移動する。やはり、7年前行った時と同じくゴミが散乱していた。


 通天閣、新世界という華やかな場所が近いにも拘らず、不気味な場所もあるところが天王寺の光と闇を感じさせる場所だ。2時間以上、人に訪ねながら何度も同じ道を歩き、目的の店を探していた私は残酷な現実に直面する。


 インターネットで調べた際は開店していると書かれていた店は臨時休業していた。少し空腹の私は近くの鉄板焼き店に行き、ホルモン焼きを食べる。長距離を歩いたせいで太腿と膝裏を痛めてしまい、少し気持ちが落ち込んでいた。


 天満駅に向かい、夕食の店探しをしている最中、いかがわしい店の看板を見つけてしまう。時間があったため、そこに行く。何故かストリップ劇場で女性客がいた。彼女達は一体どういう心境を抱きながらストリップショーを見ているか訊いてみたいものだ。


 豊かに膨らんだ瑞々しい果実が揺れ、艶めかしく肢体を動かしていたショーの後、撮影会が始まる。私もせっかくの機会のため、参加した。地下アイドルのファンと同じような行動をしてそれなりに楽しんだ。


 夕食は地元にもある串カツ田中を選んだ。両脚の疲労のせいか、何度も寝そうになりながら食事した。かすうどん大盛とちりとり鍋2人前で空腹を満たし、大阪駅まで戻り、ネットカフェに行く。ここが宿泊場所だ。


 翌日の予定を考え、寝る前まで大人しく早朝に高速バスで帰ろうと思っていた私は起きてから悩んだ結果、もうしばらく滞在する事を決める。急な予定変更は1人旅の醍醐味だ。もし、友人と一緒に来ていたらこのような身勝手が許されない。



次の日、USJへ1人で行きます。

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