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一ヶ月後

ベスパどころか、街の住民も冒険者も知らない領地アルガルダの情勢。領地が誕生するきっかけとなった領王一族と支援者、反領王と支援者、神聖伝導者、冒険者ギルド、商業ギルトと工業ギルド連合、有力な貴族たちの覇権争いが、再び水面下で静かに小さく動き始めていた。


そんな情勢とも知らないベスパは、護衛について一人考えるのであった。騎士団員と言っても、ランクは中級程度。正直、どらいアドちゃんの騎士版であるウドちゃんの方が強いだろう。だけど、現在どらいアドちゃんは<神樹の種>を作成中なのだ。俺は大人しく騎士ノーマスさんに命を委ねた。


***** ***** ***** ***** ***** 


街の学園で一ヶ月間の『短期冒険者講座』を無事卒業したベスパが、報告のため冒険者ギルドに戻れば、冒険者ギルドのマスターのデットと、居酒屋の店主アルバが久しぶりに顔を合わせていた。


「おう、ベスパ。短期冒険者講座は楽しかったか? お前、暗殺者に狙われているだってなっ! 冒険者にもなってないのに、ご苦労なことだな」


デットはベスパの後ろに立つ護衛騎士を見ながら嫌味を言う。


「そんなことより、早く卒業宣言してくれよ。俺、ずっと待ってたんだからなっ!!」


ベスパはほっぺたを膨らませて怒るのだが、デットは「あぁ〜。あれな。忘れてた。はいはい。卒業です。これから冒険者として、頑張ってください」と惚けるのであった。


居酒屋の店主アルバもデットとの会話が終わるや否や仕事を押し付けてきた。


「ベスパ、明日から営業再開だ。あと、新人が入ったから、明日までに教えられるところは、教えといてくれ。あぁ…それと、お前と同じ、住み込みだが、可愛い女の子だ。いたずらしたら、ほれ、この通りだ」


その目の前に出された紙には、このように書かれていた。


「警告!! 新人のリリルに手を指すべからず。違反者には以下の者たちの鉄槌が下される」


【領王直轄の第一騎士団団長ヴィルスレイブ】、【冒険者ギルドのマスターのデット】、【上級冒険者パラディンのエッジ】、【居酒屋の店主アルバ】、【盗賊殺しのウドちゃん】


(はっ!? なぜに…ウドちゃんの名前が?? そう言えば…。今日は種作らずに、遊びに行くって言っていたな…)


そして、警告文書の名前通り、紹介された新人の女の子とは…。リリルであった。リリルは花柄のロングワンピースを着ていた。


「リリルっ!?」


「うん。よろしくね。ベスパお兄ちゃん」


「あぁ、お前らが一緒の方が護衛も捗るということだ」


デットも横から口を挟んできた。


初日のリリルの働きは、十分過ぎるほどで、お客様からの評判もすこぶる良かった。


「こりゃ、最近、色っぽくなったベスパも勝てねぇな!!」

「リリルちゅわ〜ん。最高っ!!」

「マジ、天使、俺、毎日来る!!」


「うれしいわ! 私、ずっと入院していたの。だから元気な男の人見るの…。とっても楽しい! これからもよろしくねっ!」


「「「「「こ、告白かよッ!!」」」」」


「いや、違うから」と護衛騎士が、客とリリルの間に割って入る。


ベスパも肩の荷が下りる感じがした。俺が冒険者になっても大丈夫だと。


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