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魔法を使えない僕の職業が実は魔法使いをボコボコにする仕事なのはおかしい話ではない  作者: 田中凸丸
魔法を使えない僕の職業が実は魔法使いをボコボコにする仕事なのはおかしい話ではない
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2:学校に通っていない僕が彼女に勉強を教わるのはおかしい話ではない

「それじゃ、昨日の復習から始めて行くよ。」


 そういってシェラはカバンから小さい黒板を取り出し、絵を書いていく。


 基本的に彼女との授業は絵が多いけれど、学校に通っていない僕は字も彼女から教わっていて、まだ難しい字はあまり読めないから正直それは嬉しい。


「っと、こんなもんかな?」


 シェラが見せた絵には、髭の長い爺さんが両手を上げて喜んでいる絵が描いてあった。何が楽しいんだろう?


「産業革命前半に、ある科学者が人間の体内から”マナ”と呼ばれるエネルギー物質を見つけて、大いに話題になりました。」


「そこから、魔法が生まれたんでしょ?」


 昨日の勉強会で大まかな歴史は習ったから、そこはよく知っている。


「合ってるけど大事なとこが抜けてる。”魔法技術”が生まれる前に作られた”マナ”を用いた技術は何ていうか知ってる?」


「”呪い”。”魔法技術”が生まれる前に作られた欠陥だらけの”マナ”の技。」


 魔法や魔法の歴史は全く知らない僕だけど、”呪い”については僕も少しは知っているから答えられる。


「それじゃ、”呪い”と”魔法”の違いと名前の由来を答えてみて。」


「”魔法”を使うにはザヒョー?とかゾクセイ?とか法則?が必要だけど、”呪い”はそういった法則が必要なくて、魔法じゃできないこともできるけど代わりに使う人や周りに酷い事が起こる。名前の由来は、確か東の国の言葉で『一匹見たら三十匹はいると思え』だったはず。」


「う~ん。意味の知らない言葉を無理に使ったのは分かるけど、違いについては大体あってるかな。名前の由来は全然違う。由来は『人を呪わば穴二つ』。誰かを傷つけようとすると自分も傷つくから”呪い”って名付けられたんだよ。」


 由来は全然違った、東の国の諺は難しいのが多くて困る。


 意味の知らない言葉については、今度シショーに聞いてみよう。


「”呪い”は”マナ”を用いて『過程を省いて結果を起こす』技術、”魔法”は”マナ”を用いて『過程を組み立て結果を起こす』技術、一見すると”呪い”の方が優れてるように見えるけど、実際は無理やり”結果”を引き起こすから、どこかで問題や不具合が発生するの。」


 黒板にシェラが新しく描いた絵は、手から火を出している人と火を出そうとして全身火だるまになっている人の絵が描いてあって上に”魔法””呪い”と書いてある。


 『無理に”呪い”で火を起こそうとするとこうなるぞ!』と警告してるんだろうか?


「過去に作られた”呪い”では火を出す代わりに全身に火傷を負ったり、空を飛ぶ代わりに速さが調整できなくて木にぶつかって死んだり、未来が見える代わりに現在が見えなくなったりとか、そういうデメリットがあったの。そのデメリットを無くすために作られたのが”魔法”で、それのお陰で人々は安全に”マナ”を使えるようになったの。」


「だから魔法もそれほど万能じゃないの。『結果を起こす法則』がわからないと”呪い”と同じになっちゃうから、それから”科学者”達は名前を”魔法学者”に変えて法則の解明に取り組んだ結果、”呪い”を使うための魔法陣、呪印(タトゥー)を発展させた、魔法を使うための魔法陣、回路(サーキット)の開発に成功しましたとさ」


「でも科学者も消えたんじゃないんでしょう?」


 もし科学者が消えてしまったなら、”マナ”が使われていないラジオや機関車、白黒映画は存在しないことになってしまう。


僕がそれに突っ込むとシェラが新しい絵を描いて僕に見せる。


 二つの発電機の絵で片方は普通の発電機だが、もう片方は鞭を持ったおっさんが人を叩きながら発電機を動かさしている絵だ。嫌な絵だな。


「うん。科学者が消えなかった理由はこんな感じかな。”魔法”は1の”マナ”から10や20の”結果”を引き起こすけど、『結果を起こす法則』がわからなかったらまったく意味がないの。」


「そして今解明できている法則は錬金術から生まれた四元素”火””風””土””水”のエネルギーを生み出したり、現象を引き起こす事のみで、科学で生み出す”電気”や”電波”は引き起こせないの。だから”魔法技術”ではできないことを”科学技術”ではできるから、”科学者”はいなくならなかったの。」


 ”魔法”が万能でなくてよかった。もし”科学”が消えてしまったら、僕の大好きなラジオが消えてしまうことになり、毎日楽しみにしているラジオドラマが聞けなくなってしまう。


 そうなったら、僕はもう生きていけない。


「後”魔法”は継続的に出せないこともあるかな?」


「ケイゾクテキ?」


「ずっと続けられるって事、発電機とか蒸気機関車みたいに少し人が手を加えたら動き続ける機械と違って、”魔法”は人の”マナ”の量と才能に依存するからそういった事はできないの。人によっては”魔法”が不発になるし、”マナ”が切れたら休憩しなきゃいけないし。」


 シェラがそう言うと同時に午後の授業の予冷がなり、慌てて黒板などを仕舞い僕に文字の書き取りの宿題を渡してくる。


 今日の授業はここまでで、彼女は授業に僕も購買の仕事に戻らなければならない。


「それじゃ、今日は此処まで明後日までにその宿題を片付ける事、あと今日の勉強会はちゃんと復習する事、いいね!」

感想、ご意見どんどん募集してます。

また別作品も投稿していますので興味があって読んで頂ければ幸いです


「俺TUEEE勇者を成敗 ~俺にチートはないけれどもチート勇者に挑む~」

https://ncode.syosetu.com/n6616fu/



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