1:魔法を使えない僕がいじめにあうのはおかしい話ではない
産業革命初期、とある科学者により人間の体内から”マナ”と呼ばれるエネルギー物質が発見されたらしい。
その”マナ”という物質は最初、あらゆる現象を引き起こすことが可能な凄いエネルギーとして大騒ぎになったそうだ。
でも実際はちゃんとした法則?とかに当てはめないと使う人に負担が掛かる為、それ程万能じゃなかったみたい。
それから、沢山の研究者が法則を調べ上げて”マナ”を使った”魔法”と呼ばれる技術”魔法技術”を作ったらしい、ここら辺の歴史は最近習ったばかりだから、あんまり知らない。
魔法を使うには”マナ”が必要で、その”マナ”は人間の体内から生成され使いこなすには個人差がある。
魔法はこれまでの生活を一変させるもので特に戦場では大いに活躍したらしい、その為学歴や収入と合わせて人間を評価する一つのステータスとなっている。
つまり何が言いたいかと言うと、学校に通ってもなく”マナ”はあるけど一切魔法が使えない僕、”エディ・バレットロック”が今複数の男からサンドバックにされても別にそれはおかしい話ではないという話だ。
いや、やっぱりおかしいと思う。
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流石に顔を殴ったらマズイと思っているのか、ずっとお腹を殴られていると昼休憩を告げるチャイムがなり、男達は僕を殴るのを止める。
「っち!もう時間か、ストレス解消ご苦労様、サンドバック君」
「僕達エリートに奉仕されるなんて無能にとっちゃ素晴らしい名誉だろ?それじゃ明日もよろしくね。」
サンドバックにされる名誉なんかまったく欲しくないし嬉しくない、こっちは仕事があって忙しいんだから早くどっか行け。
男達がどこかに行った後、僕は急いで仕事場に向って走った。
正直、殴られたお腹は痛いし走るたびに激痛が走るけど、仕事に遅れたら先輩から大目玉を喰らうし、そしたらまた殴られる。
この町で暮らしてきて表の仕事で僕に理不尽に酷いことをしない人は二人しかいない。
行きつけの総菜屋のおっちゃんと、この学校に通う一人の女子生徒だけで、それ以外は皆僕に理不尽な理由を付けて暴力を振るおうとする。
”女みたいな顔がムカつく””魔法が使えないくせにのうのうと生きてるのがムカつく””魔法を使えない無能はサンドバックとしてしか価値を示せないから殴らせろ”
酷い理由ばかりだ、顔は生まれつきだし魔法が使えないのは生まれつきじゃないけど、ちゃんとした理由がある。
でもみんなにとって魔法が使えない僕は人間じゃないみたいだから、皆そんな事は気にせず僕に酷い事をする。なんだか理不尽だ。
っと、危ない危ないモヤモヤしてたら、仕事場に着いたので先輩に挨拶をしてエプロンを付けなきゃいけない。
「おはようございまーす。」
「おい!エディ、お前何遅刻してんだ!」
金切り声で僕を怒鳴りつける先輩は、椅子にもたれながら本を読んでいて、今日も仕事は全部僕に押し付けるつもりらしい。
「ちゃんと言われた通り、五分前にきたけど?」
「バカヤロー!五分前って言ったら、十分前に到着しろ!あと何タメ口使ってんだ!」
だったら、十分前に来いと言ってくれ、後敬語?だっけ、それはいま勉強中で少しづつ改善してるんだから許してほしい。
そんなことを考えていたら、拳骨を喰らった。
先輩は腹が立つほど笑っている、もしかしてさっきの理不尽な理由はただ単に僕を殴りたかっただけじゃないのか?
さっきの男どもといい、先輩といい、11歳の僕を殴って喜ぶなんて恥ずかしくないんだろうか?もしかしたらそういう趣味でも持っているのか?いい趣味してるよ、まったく。
って、今はそんな事より仕事しないと、お腹を空かせた生徒たちが此処に向ってくるから、急いで棚に商品を並べていく。
皆血走った目で、サンドウィッチや焼きそばパンを買っていくから、少しでも陳列が遅れると大量のクレームが届いて、責任が僕に押し付けられるのだ。
これが僕の表の仕事、ヴィネリア合衆国にある名門校エドワッド高等学校の購買部の雑用係だ。
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無事仕事が終わり、僕も校庭の隅で昼食を食べる。
本当なら、購買部の人間全員に弁当が配られるはずだが何故か僕の分の弁当はなく、また知り合いが言うには僕の給料は他の奴らより低いらしい。
多分だが、先輩たちがくすねてるんだと思う、でもそれを訴えても聞いてくれないし、計算も上手くできないからどの程度給料が低いかわからない。
裏の仕事も割と給料が安いらしいけど、表とどっちが安いんだろう?まぁ、11歳の僕が生きるのにそんなに沢山のお金は必要ないから別にいいけど。
モヤモヤとした気分を変えるために、総菜屋で買った好物の肉団子入りのスープとサンドイッチを食べていると一人の女子生徒が近づいてきた。
二年生(つまり16歳か17歳)の制服を着た金髪に褐色の肌の女子生徒で白い肌の生徒が多いこの学校では珍しいが、僕は別にそんなことは気にしない。
「エディ、またこんな隅っこでご飯食べて、いつも一緒に食べようって言ってるじゃない。」
「放っといてよ。一人で食べたいんだ。」
「また生意気言って~、一人で食べるより二人の方が絶対美味しいって。」
そういって僕の隣に座り、弁当を広げ一緒に食べようとするのは構わないんだけど狭いから少し詰めて欲しい。
彼女の名は”シェラ・アクセルフォール”以前裏の仕事で彼女の命を救って以来何故かやたら構ってきて、学校に通っていない僕に勉強を教えてくれる。
「それで、一昨日出した宿題ちゃんとやってきた?」
「算数の宿題でしょ。ちゃんとやってきたよ。」
「よろしい、それじゃお弁当を食べた後は昨日の続き『魔法の成り立ち』始めよっか。」
そう言ってシェラは僕と一緒に昼食を食べるんだけど、胸元の下着がチラチラ見えてちょっとドキドキする。何だか最近シェラや同い年の女の人と話すとドキドキしてしまう。
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また別作品も投稿していますので興味があればこちらもよろしくお願いいたします。
「俺TUEEE勇者を成敗 ~俺にチートはないけれどもチート勇者に挑む~」
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