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魔法を使えない僕の職業が実は魔法使いをボコボコにする仕事なのはおかしい話ではない  作者: 田中凸丸
魔法を使えない僕の職業が実は魔法使いをボコボコにする仕事なのはおかしい話ではない
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27:奴らが襲撃してくるのはおかしい話ではない

「此処があのクソガキが住んどるアパートか、しかしボロイの~。」


 エディやラスティなど”カース”の実行部隊が暮らしているアパート、そこから十数メートル離れた場所には見るからにガラが悪いと判断できる人間が集まっている。


 そしてその中でも一番に体格が良い男に別の男が話しかける。


「そんな事よりも本当に此処で暴れちまって良いのかよ?言っとくが俺は手加減できねえぞ。()()()()。」


 体格の良い男、”人類進化機関”によって作られた実験体にして、数々の汚れ仕事を行ってきた男、ヴェイン・プレス。


 彼は今、自分と同じように”人類進化機関”によって作られた実験体の仲間を引き連れて、”カース”の実行部隊が暮らしているアパートに襲撃を仕掛けようとしていた。


「ああ、構わん。例の議員からは人払いも済ませた連絡も受けたし、元々叩けば埃の出るような奴らじゃ、騒ぎになっても世間はアイツらに注目するだけじゃ。そんな事よりも、絶対に例の女は殺さず捕獲するんじゃぞ。そうすりゃ博士に儂らの活躍が認められるからの。」


「へいへいっと。しかし議員も遂に手段を択ばなくなったな。白昼堂々襲撃を仕掛けようなんざ。」


 ”人類進化機関”の彼らが此処に集まっている理由、それはイヴの回収の為に彼女が保護されている”カース”の実行部隊が集まっているアパートに襲撃を仕掛ける為であった。


 ”人類進化機関”にイヴの回収を頼んだ大物議員、しかし回収に失敗し自分の立場や合衆国が危機に晒されると考えた大物議員は遂に襲撃を仕掛けることを考えた。


 イヴが保護されているであろう”カース”実行部隊が暮らしているアパートを調べ上げ、その情報を”人類進化機関”に流し、襲撃を依頼した。


 もしこれが敵対している政治家などにバレてしまった場合、彼の立場は無くなってしまうだろうが、どの道イヴの存在が表にバレてしまえば自分はお終いなのである。だったらもう躊躇している暇はない。


「それじゃ、早速っと。おや誰か出てきたぞ。」


 いよいよ襲撃を仕掛けようとしたその時、アパートの玄関から二人の男が出てくる。


 一人は何処か疲れたような表情をしている中年でもう一人は高校生くらいの男だ。このアパートから出てきた以上、彼らも”カース”の一員のはずだ。


「下手に奴らを見逃して、後から襲撃されてもかなわんしの。よし、15番、17番奴らを殺してこい。」


「ハッ!」


 ヴェインが指示を出すと、番号で呼ばれた二人がアパートから離れていっている二人組を追跡する。此処にいるメンバーはヴェインを含めて、全員実験体だが強力な”魔法”を使うことが出来、”呪い”しか使えない半端者に負ける道理はない。


 自分の仲間が”カース”の二人組を殺す事を確信しているヴェインは、視線をアパートに戻し仲間に号令をかける。


「ええか、あそこにいるのは全員”呪い”しか使えん半端者ばっかじゃ、ささっと殺してずらかるぞ。」


 そう言うとヴェインの腕に付けている籠手が茶色に光り輝く。どうやら彼は”粉砕(プレス)”の魔法で正面から襲撃を仕掛けるつもりらしい。


「ほんじゃ、行くぞ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「エディが使っている呪い?それってナイフを引き寄せたり、足が速くなったりする呪いの事でしょ。」


「正確には少し違うんだ。確かにその二つも使えるけれど、僕が本当に使える呪いは一つだけなんだ。」


 イヴに真実を話した後、僕は彼女に僕が使っている”呪い”の事を話している。もし彼女の使っている呪いの正体がわかれば彼女を助けることが出来るからだ。


「僕が使っている呪い、それは・・・・・」


 ドガンっ!!


「きゃあ!何!」


 イヴに呪いの説明をしようとした途端、急に大きな音がして部屋に衝撃が走った。


 何だ?トラックが追突でもしたのか?僕達の身には何も起きていないけど他のメンバーの事も気になるから、僕達は一旦話を打ち切って部屋を出て音がした方向へ行った。


「何じゃぁこりゃ、」


 音がした玄関へ向かうと、その惨状にラスティが驚きの声を上げるけど僕も驚いている。だって玄関がものの見事に破壊されているんだから、でも周りには()()()()()()()()が無く、玄関だった物の残骸しかない。


「あらあら、姉さん。見てください。玄関が破壊されていますよ。困りましたわね。これじゃ暫く吹きさらしで過ごさなきゃいけませんわ。」


「そうね、エンデ。とっても困ってしまうわ。ねえエディこれは一体何があったのかしら?貴方がこの惨状を引き起こしたの?だったらお仕置きしなくちゃ。そうね、かわいいドレスでも着て写真を撮らせてもらおうかしら?」


「僕じゃないし、何かとドレスを着せようとしないで!」


「胸、おっきい、、」


 この二人、犯人捜しよりも僕にドレスを着せる事の方に意識が向いているんじゃないかな?後、イヴが二人の胸を見て、悲しそうな表情を浮かべているけど、どうしたんだろう?


 そんな最中、破片がパラパラと落ちる玄関から、見たこともない人達が現れた。いや、その内一人は最近見た覚えがある。


「ヴェイン・プレス!」


「おおー、数日ぶりじゃのう。クソガキ、あん時の借り返しに来ったわ。」


 何でアイツが此処に?まさか”カース”の中に情報を流した人が居るのか?


「何しに来た!」


「そんなもん、説明せんでもわかるじゃろう。おどれらを殺して、そこの嬢ちゃんを連れ去りに来たんじゃ。」


 ヴェインがそう言うと奴の仲間らしき連中が回路(サーキット)が刻まれた武器を構え始めて、臨戦態勢を取り始めた。


「あらあら、姉さん聞きました?今この汚らしい男が私達を殺すですって?」


「ええ、聞きましたよエンデ。汚らしい男と言うだけでも最悪なのに、私達を殺すだなんて。ふざけたことを抜かしていますね。」


 アルネとエンデがヴェイン達に対して敵意をむき出しにして、ヴェイン達と同じように臨戦態勢を取る。


「イヴ下がってて、ラスティ」


「応、分かってる。」


 あいつらの目的がイヴである以上、僕とラスティもイヴを渡さないために前に出て武器を構える。


 敵の数は5人で、一方のこっちは4人、グレイグのオッサンとレントがいればこっちが有利だったけど、無い物ねだりをしてもしょうがないし、今いるメンバーだけで戦うしかない。


「あのヴェインっていう男の相手は僕がするよ。」


「エディ、、、」


「上手くいけばアイツからイヴの呪いの正体が聞き出せるかもしれない。」


 僕がそう言うとラスティも納得して他の奴らを相手してくれることになった。アルネとエンデはよくわかっていないようだけど、空気を読んで僕に譲ってくれた。


 ナイフを構えて相手を睨む、流石にしつこいし、もう此処でケリをつけるべきだろう。


 さあ、どうやって倒そう。




 

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