18:ギャングや別組織が彼女を取り戻そうとするのはおかしい話ではない1
ピピピ、と部屋の中でうるさい音が鳴り響いている。多分目覚まし時計が朝を知らせてくれてるんだろう。
「う、う~ん」
目覚まし時計を止めるために手を動かそうとするけど、僕の体は縛られてるのか両手が動かない。それに何だかいい匂いと柔らかい感触に包まれて、目覚める気が全然せず、このまま寝てもいいかなって思ってしまう。
「あん♪」
僕がもぞもぞと寝返りを打つと、耳元で声が聞こえてくる。
「って誰!」
驚いて、起き上がり布団をベッドカバーを捲ると、そこには患者着のような服を着た体のいたる所に火傷の痕がある女の子が寝ていた。
「イヴか、そっか確か昨日、、」
僕達がシャワーを浴びた後、部屋にはベッドが二つしかなく誰がベッドで寝て、もう一人がソファーで寝るかで話し合ったんだ。
色々と話し合った結果、ラスティがベッドを一つ使い、僕とイヴが二人で残りのベッドを使うことになった。
幸い僕は小柄だし、イヴも13歳で年齢相応の身長だったから問題なく眠れた。けれど何で僕は彼女に抱きしめられてたんだろう?やっぱりまだギャングの事が怖いのかな。
「イブー、ラスティー、起きてー、朝だよ。」
取り敢えず今は今後の事を話すためにも二人を起こさなきゃ。
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「で、今後の俺達の行動なんだが、、、お嬢ちゃん聞いてる?」
「え!?あっ、はい。聞いてます。」
朝食を食べながらラスティがこの後の事について話しているんだけど、イヴはどこか上の空で朝食のウィンナーをじっと眺めて、偶に僕を見つめてくる。どうしたんだろう?
「うし、んじゃ話の続きだ。まず俺達は上司と議員にお嬢ちゃんを始末したと伝える。下手に本当のこと言っても嬢ちゃんがトラブルに巻きまれるだけだからな。」
「は、はい。ご配慮、ありがとうございます。」
「その後、俺達は嬢ちゃんが何で合衆国に危機をもたらす者なのか?それを上司に問い詰める。その後はどうするかはまだ決めてねえが、俺やエディは嬢ちゃんを悪いようにはしないと決めてる。最善を尽くすから安心してくれ。」
イヴが何者なのか、そして彼女をなぜ殺さなければならないのか、それがわからない以上、僕は彼女を殺したくないし、正体が分かった後も出来れば殺したくない。
だからこそ、彼女の正体は知らなくちゃいけない。
その後、”カース”の支部に戻る前に色々と買い出しに行くことになったけど、昨日の今日でギャングがうろついているかもしれないという事で、僕一人だけ買い出しに行って、ラスティにはイヴの警護を頼んだ。
長くうろうろしていても良い事なんて何一つないから早く買い出しを終えて戻ろう。
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「・・・・」
「・・・・」
エディが買い物に行っている間、ホテルの部屋で俺と嬢ちゃんの二人だけになっちまったんだが、先程から何の会話もない。
まずい、エディを買い出しに行かせるんじゃなくて、俺が行くべきだった。
お互い、色々と話そうとしてるんだが会話が長続きしない。俺は嬢ちゃんみたいな年下の女の子と話した経験はほとんどないし、嬢ちゃんも同じように年上の男と話した経験は殆どないんだろう。
「あー、そう言えば、エディもそろそろ帰ってくるんじゃねえかな?」
「そ、そうですね。あ、そういえばエディって男の子だったんですね。」
危うく会話が途切れそうなったところに嬢ちゃんが慌てて会話を繋げてくれる。畜生、自分が情けない。
「あ、ああ、アイツ女みたいなナリしてるから、よく間違われるんだよ。昨日は災難だったな。嬢ちゃん。」
「え、ええ。」
俺がそう言うと嬢ちゃんは黙ってしまった。馬鹿か俺は!何昨日の事を思い出させてんだ!セクハラじゃねーか!
結局、会話は続かずお互いに黙っているとドアのチャイムが鳴る。おお、漸くエディが帰ってきたか!
俺は急いで、ドアを開ける。これで重苦しい空気とはオサラバだ。
だが、ドアを開けた先にいたのはエディではなく、屈強な大男だった。
「おどれか、儂らの貴重なモルモットを攫ったのは?」
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「ただいまー、ラスティ、イヴ帰ったよ~。」
僕はそう言って、何度もドアのチャイムを鳴らすけど、一向にドアは開かない。
どうしたんだろう。二人とも出かけてるのかな?取り敢えずこのままだと僕は部屋に入れないし、扉を開けるとするか。
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謎の大男とその部下と思われる奴らに、襲撃を受けてから数分。イヴは猿轡を咥えさせられ、俺は男の部下に頭を押さえつけられて地面に転がされている。
クソ!まさか、いきなり襲ってくるとは!どこから俺達の場所が漏れた?
「大人しくしとけ、そうすりゃ、おどれやモルモット、チャイムを鳴らしとる。おどれの相棒には危害は加えん。」
幸いと言っていいかどうかは分からないが、男達が襲撃を咥えてきた後すぐにエディが戻ってきた。
おかげで男達はイヴを連れ去らずに部屋の中で、エディが立ち去るのを待っている。どうやら男達もあまり表立って活動できる連中ではないらしい。
男の部下の一人が消音器付きの銃をもって扉の近くにいるが、恐らくエディが何か不測の事態を起こしたときに射殺するためにいるんだろうが、それはマズイ!
「ンー!ンー!」
「何じゃ、騒ぐな。相棒は大事なのはわかるが、あまり騒ぐならまず、おどれから殺すぞ」
大男がそう言うが、俺は動きを止めない。早く逃げろ!扉の前にいる男!じゃないとお前が死ぬぞ!
ドパン!ドパン!ドパン!
だが、俺の必死の制止も空しく、三発の銃声が響いて扉が吹っ飛び、扉の前にいた男も一緒に吹っ飛んでしまった。
そして部屋の入り口には、銃身から煙を出している銃を構えているエディが立っている。
「あれ、ラスティ。いるんならドアを開けてよ。それでそこにいるオッサンたちは誰?」
本人はキョトンとしているが、他の奴らは全員驚いている。そりゃそうだろうな。まさか誰も扉が開かないからといって、銃で扉を吹っ飛ばそうとは思わないからな。
普通の奴だったら、ホテルのフロントでカギを借りてくるはずだ。
でも、俺は知っている。コイツが底なしのバカだと。
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また別作品も投稿していますので興味を持って読んで頂ければ幸いです。
「俺TUEEE勇者を成敗 ~俺にチートはないけれどもチート勇者に挑む~」
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