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魔法を使えない僕の職業が実は魔法使いをボコボコにする仕事なのはおかしい話ではない  作者: 田中凸丸
魔法を使えない僕の職業が実は魔法使いをボコボコにする仕事なのはおかしい話ではない
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8:俺がギャングを壊滅させるのはおかしい話ではない

今回は主人公の視点ではなく、別人物の視点で物語が進みます。

「これは一体どういうつもりかな?」


 用心棒としてギャングに雇われて、半年も過ぎ仲間として俺は受け入れられたはずだ。


 なのに、何故俺は今ボスの部屋に呼ばれて、ボスや部下の奴らに銃を向けられているんだろう?


「とぼけんなよ先生、こっちはとっくに知ってんだぜ。」


「知ってるって何を?」


「アンタが俺の馬鹿息子を使って妙な薬の実験をしてるってことさ。それだけじゃねえ、息子が通り魔をしてるのもアンタが唆したからだろ。部下から聞いたぜ。」


 おっと!それを知られてしまったか。と言っても仕方ない。


 あの馬鹿息子はコンプレックスの塊だったからな、少し背中を押してやるだけで簡単に動いてくれたんだけど、コンプレックスが強過ぎたせいか派手な事ばかりやってたからな。


 バレるのも時間の問題で、それが今この瞬間であるという訳だ。


「お陰でこっちは大変だったぜ。証拠隠滅の為に警察への賄賂やラジオ局への根回しとかな。でも何とか隠せるレベルでまだ問題じゃなかった。」


「だったら、何でこんな事になってんの?問題じゃないなら銃下ろしてよ。」


「なかったって言ってるだろ。ついさっき部下から報告があってな。息子が何処かの奴に捕まっちまったらしい。」


「へぇ、それで?」


「捕まえた奴は、赤い書類を持っていたらしい。裏の世界で生きている以上、この意味は分かるよな?」


 成る程、そういう事か。遂に”カース”が動き出した訳ね。


 確かに、あの組織は裏の権力とかを無視するからね。馬鹿息子も躊躇いなく捕まえるだろう。


 しかし、そうなるとこの組織ももう終わりか。


「で、息子が捕まっちまった以上、ウチにも捜査が入るだろう。そうなったらウチは御仕舞いだ。証拠隠滅しようにも時間がねえ。」


「だろうねえ。」


「だとしてもケジメはつけなきゃなんねえ。アンタのせいでウチの組織は潰れるんだ。責任とって(タマ)貰おうか。」


「それは勘弁願いたい。」


 俺にはまだ、やらなきゃいけない事がある。こんなところで死ぬわけにはいかないのだ。


「それは、無理な相談だ。お前ら殺れ!」


 残念、俺の意見は聞き届けられなかったようだ。


 なら、仕方ない。()()()()()()()()()()()()()()()()


 どうせ政府の捜査が入って終わるんだから、それが少し早くなるだけだ。違いは豚箱に入るか死ぬかだ。


 ギャング共が銃の引き金を引こうとするが、もう遅い。


「「ギャアアアアアア!」」


「な、何だどうした急に!」


 ボスが叫ぶが、より大きい部下の叫びにかき消されてしまう。でも仕方ないだろう。()()()()()()()()()()()()()()()激痛のあまり声を上げることしかできない。


「な、何だ、テメー、一体何をしやがった!?」


「それが人に聞く態度かな?ボス。でも冥土の土産に教えてあげるよ。これは俺が()()()()()()()()()()()が作った魔法でね。斬撃を記録、再生させられるんだ。」


「な、何だそりゃ。」


「あらかじめ特定の領域に刃物を走らせるんだけど、その時の斬撃を空間に記録させる。そして使用者がマナを回路(サーキット)に走らせることで、その斬撃が再生されて、その場にいるものを切り刻むんだ。見えない地雷と思ってくれていいよ。因みにこの魔法、極秘い扱いだから見られたからには死んでもらうよ。」


 魔法を作った奴曰く、一応風の魔法に分類されるみたいだけど、実際は走らせたラインに斥力を発生させているらしい。難しいことはよく分らん。


「ち、畜生!!」


 これでもう終わりかと思ったが違ったようだ。ボスが合図すると奥の部屋から数人出てきて、それぞれ銃やナイフに回路(サーキット)を書き込んだものを持っている。多分、ギャングの中でも魔法を得意とする奴らだろう。


 うーん、彼らの居る場所には斬撃は記録していない。仕方ない、切り札を使うとしよう。


 俺がマナを体に巡らせると体中に血管のような模様が浮かび上がる。


 浮かび上がると同時に、どこからか先の尖った鉄パイプのような槍が飛んできて、魔法使いの男達を貫き、死に至らしめる。


 これで残ったのは、ボスだけだ。


「な、何だそれは、何処から飛んできた?」


「さっきから質問ばっかりだねボス。でも仕方ないか、受け入れられないもんね。因みに今使ったのは魔法として開発中の呪いで、刃物と俺の間に引力と斥力を任意で発生させられるんだ。中々便利だよ。この呪い。」


 ”(ブレイド)磁界(マグネフォース)闘技(コンバット)”、”(ブレイド)磁界(マグネフォース)闘技(コンバット)(アンチ)” 失敗作だった”呪い”を改良したもので大分使いやすくなっている。それでもまだ”呪い”だから魔法と比べると使いにくい。


 さてと、じゃあ最後の仕上げにボスを殺すか、開発した魔法や呪いの目撃者は殺さないとウチの上司うるさいからな。


 ボスが命乞いをしているけれど関係ない。もう俺のボスじゃないんだから。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ボスを殺した後、屋敷に火を放ち後にする。


 さてと、薬のデータも充分取れたし、()()()()()()()も果たせたし本当の組織に戻るか!


 久しぶりの帰還という事で俺、ロック・バレットアントはスキップをしながら夜道に消えていく。


 さあ、戻ろう。俺が所属する組織”人類進化機関”に。





感想、ご意見どんどん募集してます。

また別作品も投稿していますので興味を持って読んで頂ければ幸いです。


「俺TUEEE勇者を成敗 ~俺にチートはないけれどもチート勇者に挑む~」

https://ncode.syosetu.com/n6616fu/

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