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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第一章 錬金鍛冶の旅団

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魔法使いの少女ユナ

主人公が男気を見せる最初の見せ場ですね。

後半に続きます。

 朝の客が居なくなった後で、一人の少女がやって来た。如何いかにも魔法使いといった、つばの大きく頭の先が尖った黒い帽子(赤いリボンが巻いてあるのが少女らしい)を被っている。

 彼女は突然こう言った。


「あなたがオーディスワイア?」


 俺は直感的に、これは難しい仕事になると思った。長年の経験が少女の出す深刻な雰囲気を感じ取ったのだ。

 正直に俺は「そうだ」と答えていた、ここで「イイエチガイマス」などと誰が言えようか(そんな奴は半端者以下のクズである)。少女に何故、俺の名前を知っているのかと尋ねると。


「私の所属する旅団の人があなたの名を、()()()()()()()()()()()()()()()()だって教えてくれました」


 ……誰だそいつは、「絶対失敗しない」だなんて軽々しく言ってくれるな。

 俺は返答に困ったものの、そこはやはり、はっきりと伝えるべきだろう。


「残念だが俺は失敗した事もある。錬成元(錬成する予定だった物)を失った事もね。確かに近頃は錬成で失敗する事が無くて、連続成功回数を増やしてはいるが、それは高位錬成を行った回数が少なかったせいだ」

 こう言うと少女は困った表情をする。

 俺も困った顔になりそうだが、気合いでそれを乗り切った。


 彼女の名はユナ。今は「あか陽炎かぎろいの旅団」に所属する魔法使いだと言う。都市フレイマで有名な旅団の名だ。何故ミスランに居るのかと尋ねると。

「私の居る第八小隊は、都市ウンディードで冒険をしていたのですが、連絡が来て、新しい転移門が開いたのでフレイマに戻るよう召集が掛けられたのです」

 なるほどと一応の納得はしたが、少女が深刻な様子なのは何故かと核心に触れる事にした。


「それは……これに強化錬成をして欲しかったからです」

 そう言って少女が取り出して見せたのは──普通の銀の腕輪だった。いや、多少細工にこだわりの感じられる品だと思うが──


「これは母の形見なんです」

 そう言いながら彼女は、三つの小さな布袋を取り出した。

 一つは金貨の入った袋。

 残りの二つは大きな魔晶石、そして四つの精霊結晶だ。


 正直驚いた。これ程の素材を少女が取り出した事もそうだが、この錬成は──。


「この腕輪に『四大精霊の加護』を錬成してください」

 と少女は言ったのだった……

「精霊石の塊」と表記した物を「精霊結晶」に変更しました。

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