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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第二章 集いし者達

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折れた魔剣の修復①

サブタイトルは敢えて付けました。

内容全然覚えていませんわ……;

 ──急募、折れた魔剣の修復方法を知る人──


 ──そんな奴おるかい!


 ああ、あの後に俺は、彼女の願いを断る事はできずに引き受けてしまったのだ。どんな事でも協力すると言うので、この魔剣を手に入れた場所から入手した素材──金属や魔力を秘めた物などを全て持って来てくれと彼女に言うと、魔剣と同じ金属だと思われる鉱石の塊をいくつか持って来ていたので、それと魔剣を預かる事になった。


 彼女と別れる前にいくつかの事を尋ねると、彼女はエウラ・フィアネストだと名乗った。その名前を聞いてまさかと思ったが、風の神が住まう都市シャルファーでその名を知られた英雄と言うべき冒険者、エルグ・フィアネストの妹だという。

 なんと、この魔剣はエルグの愛用していた剣であり、そしてその兄の形見だという。


「なんだと⁉ 死んだというのか、あいつが……!」

「やはり、兄をご存じでしたか」

 エウラはそう言って兄が死ぬ間際に話した事を俺に語り出した──


 エルグと出会ったのは俺が片脚をくした後に各地を旅して回り、錬金鍛冶師としてそれなりの研鑽けんさんを積んだと、自信を抱き始めていた頃の事だ。

 その頃のエルグは上級冒険者として活躍し始めたばかりであり、強力な錬成品を求めていた様だった。偶々(たまたま)そんな彼の目にまった俺は、彼の持つ防具に錬成強化を行う事になった。彼と同じ旅団の多くの仲間達が、そんな見ず知らずの男に錬成させても強力な錬成品を作れるはずが無いと言う中で、エルグだけは俺の力を高く買い。籠手こてかぶとの強化を任せてくれたのだ。


 あの頃にしては、かなりの強化が出来たと自負している。錬成強化された物を受け取ったエルグも鑑定結果を見るまでもなく、これは最高の物だと喜んでくれたのを今でも思い出す。

 それからしばらくは彼の元で武器や防具に錬成強化をし、彼はどんどん強く、そして多くの実績を上げる冒険者となったのだ。

 そう言えば彼の口から妹が居ると聞いた事もあった。旅団は違うがシャルファーにある旅団で活動していると聞いていた。


 エウラが話した内容によると──ある日、折れた魔剣を手にエルグは体中を血に染めながら、仲間に引きずられる様な状態で異界から戻って来たのだ──。その場に居合わせた彼女は兄に何があったのかを聞こうとしたが、彼はこう言ったという。


「──エウラ、すまない……魔剣を……直してきて──くれ、ないか……あいつ、なら。あるいは……なおせ──る。オーディす……」


 あいつはまだ冒険を続ける気でいたのだろう、だから剣を直してくれと言ったのだ。エウラは兄の最期の言葉の意味を理解できなかったらしい、別々の旅団に入ってから兄とはあまり話す機会が無かったのだという。


 しかし、兄が剣や防具を錬成してくれた人物について仲間に話しては、良く自慢していたらしい、という話を耳にした。兄が死んで半月以上立った頃の事だ。それは「オーディ何とかという名前か」と尋ねると、兄の旅団に居たその人物は「オーディスワイア」の事だろうと話し。そして最近その男が、昇華錬成を成し遂げたという噂を耳にしたとも語ったのだと説明する。


「なるほどな」

 エウラに俺は続けてこう言った。

「魔剣を修復できる見込みはほとんど無い、だがやってみよう。あいつが俺に期待したというのならそれを無下には出来ないからな」


 彼女はよろしくお願いしますと頭を下げ、すぐにシャルファーへと戻り、役に立ちそうな素材を持って来ると言って鍛冶場を出て行った。


 その後の俺は鍛冶屋を閉めて、旅団の連中にも暇を出して魔剣の調査に明け暮れた。探査魔法を掛けても素材が判明するくらいで──エウラが持って来た鉱石が、その魔剣と同じ素材だというのは分かった──掛けられた魔法などは、まったく分からないのだ。


 それでも俺は一縷いちるの望みを抱いて、この魔剣を修復する為にエウラが新たに持って来た異界の魔石や魔力結晶を使って、鉱石から取り出した金属に加工が可能か、何度も何度も手法を変えて取り組んだ。

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