第三百二十五章 フジコ、単身敵に乗込む
慰安旅行も無事に終わり、陽子もテレジア星に帰り、皆はいつもの生活に戻り平和に暮らしていました。
そんなある日アヤメが、「今、父ちゃんから連絡があり、バイキンマンが他の星に移住しようとしましたが、狙われそうな星にテレジア星の軍隊を派遣させていた為に、侵略を諦めて、巨大な人工惑星を作成しています。その人工惑星で侵略行為をするのか不明な為に、現在テレジア星と睨み合いの状態にあるらしいです。もし侵略行為をする場合は、以前博士の策略に填った事を根に持って、博士が狙われる可能性があるらしいです。博士を護衛している社員を増員させ、強力な武器も持たせるが、博士も充分注意してくれ!」と警告しました。
フジコが、「まだ侵略行為を計画していると判明していないのでしょう?その前に私に話し合いをさせて。」と戦争を避けようとしていました。
アヤメは、「バイキンマンと何を話し合いうのだ!無駄な事は辞めろ!」と断りました。
フジコは、「私達はトラやライオンとは違い知能があるのよ。話し合いで戦争は避けられるかもしれないのよ。戦争になれば、多かれ少なかれ犠牲者は出るわ。最後の最後まで戦争は回避する努力をするベキよ。」と反論しました。
アヤメが、「今回は前回のように、敵陣に乗り込むのは危険だ!話し合いなら通信だけにしろ。発信源を攻撃される可能性は否定できない為に、宇宙戦艦から通信で話し合え。」と指示しました。
フジコが、「話し合いの時に、電波の通り道を利用して、敵の探査を行いたいので、宇宙戦艦だと役不足だわ。私の大型探査艦で話し合います。」と提案しました。
アヤメが、「もし攻撃されれば危険だ。」と反対しました。
渚が、「私の大型特別艦に二人とも乗り込んで!大型特別艦から話し合って。」と提案して、フジコもアヤメも納得しました。
大型特別艦でアヤメが戦闘態勢を取り、フジコが交渉しながら気付かれないように探査していました。
交渉終了後フジコは、「敵は、フィルターに使う資源が殆どなくなった為に、建物の増築などができなくなり、別の惑星に移住しようとしましたが、適当な惑星が見付からなかった為に、人工の惑星を建造していると言っていますが、交渉中に建造中の惑星を色々と探査すると、バイキンを満載しているミサイルを複数発見し、更にミサイルを作り続けているようです。問題は、そのミサイルがレーダーに映りにくい特殊な金属で作られています。つまりミサイルは近くに来るまで発見が困難で、近くで迎撃すればバイキンが撒き散らされます。そのミサイルの性質上、迎撃など防御には使用不可能で、攻撃用にしか使用できません。そのようなミサイルを大量に製造しているのは、何処かの星を侵略しようとしている可能性が高いです。それがテレジア星か地球かそれ以外の星かは不明です。」とアヤメ達とテレジア星に報告しました。
アヤメは焦って、「どうすれば良いのだ!攻撃される前に先に攻撃するしか方法がないじゃないか!」と対応方法を考えていました。
サクラが、「落ち着いて女神ちゃん、博士の話を聞いていなかったの?博士は、もうどうすればいいか解っているようですね。」とアヤメに落ち着くように促しました。
アヤメは、「博士!どうすれば良いのだ!」と焦っている様子でした。
フジコは、「だから、近くで迎撃できないと言ったでしょう。近くでなければ問題ないのよ。」と返答しました。
アヤメは、「レーダーで発見できないと言ったじゃないか!どうやってミサイルを発見するのだ?」と不思議そうでした。
フジコは、「ミサイル発射直後を狙えば良いのよ。私達が先に攻撃をすれば、戦争は私達が始めた事になり、敵は自分達の身を守る為に、止むを得ず攻撃したと言うでしょう。だから、敵がミサイルを発射するまで待つのよ。その人工惑星の近くに宇宙戦艦を配備して、ミサイル発射直後に目視でミサイルを破壊するのよ。ここで大事な事は、ミサイルが人工惑星以外、バイキンマンの惑星や、過去に住んでいた惑星や、その他の惑星にないかどうかの確認が必要になります。もし、私達が監視していない場所からミサイルが発射されると、最悪テレジア星は以前のように、バイキンに汚染される可能性があります。」と忠告しました。
渚が、「その時は芹沢外科医院を宜しくお願いします。」とPRしました。
アヤメが、「渚!お前は人の不幸で商売をするのか!」と真剣に話し合っているのにと切れました。
渚は、「医者はそうよ。人が不幸にも、病気になったり怪我をしたりするから医者が必要なのよ。」とアヤメとは裏腹に冷静でした。
サクラが、「博士、バイキンの種類が解れば、バイキンマンが何処を狙っているのか見当がつくのではないですか?」と助言しました。
フジコは、「私もそう思い探査しようとしましたが、そこまで探査する時間がありませんでした。悪戯に交渉を引き延ばすと、私が敵内部を探査している事がばれる可能性がある為に、探査は諦めました。もう一度バイキンマンと交信するか、先日のように乗り込むかすれば、バイキンの種類だけではなく、コンピューターに侵入して何処にミサイルを配備していて今後何処に配備する予定なのかまで確認可能よ。」と提案しました。
アヤメが、「敵陣に乗り込むのは危険だと言っただろうが。」とフジコに危険な事をさせたくない様子でした。
フジコは、「陽子さんも昔は命懸けで拷問組織に拉致された人を救っていて、マリさんも命懸けで海坊主と戦っていたのよ。私も命懸けで交渉して、可能であれば敵陣に乗り込むわ。」と提案しました。
アヤメが、「無茶するな!陽子やマリさんは、それなりに勝算があっての上の事だ!」と反対しました。
フジコは、「反対しても、もう遅いわよ。バイキンマンと交渉して、今回は私一人で行くので、その資源を使う以外に方法はないか調査させて欲しいと依頼して承認して頂いたので、今、バイキンマンの惑星上空に来ました。今から着陸します。」と通信が切断されました。
アヤメは慌ててフジコの護衛に行こうとしていました。
モミジが、「今から行くとバイキンマンに誤解されて、博士が殺されるわよ。ここは博士を信頼して待つしかないわね。」とアヤメを止めました。
バイキンマンがフジコに、「以前はよくも騙してくれたな!お陰で酷い目に遭ったではないか!」と不満そうでした。
フジコは、「何の事ですか?私はあなた方を騙していいませんよ。」としらばっくれました。
バイキンマンは、「貴様が使用する事に決めた資源を大量に使用した為に、もう埋蔵されていないではないか!あの資源は、その他にも使用しているのだぞ!」と切れました。
フジコは、「あなた方が、あの資源は無限に埋蔵されていると言ったから、あなた方を信頼して、あの資源を使用する事にしたのよ。私達も争いは避けたいので、こうなる事が解っていれば、私もあの資源を使用せずに、別の方法を考えたわよ。その別の方法を皆さんと一緒に検討する為に、私が来たのではないですか!今回は、使用されていない資源を使いましょう。それだと問題ないでしょう?」と返答しました。
バイキンマンは、「無限に埋蔵されていると言っても埋蔵量に限りがある事は解っているではないか!今回も上手い事言って、前回と同じように何か企んでいるのだろう!今回は兵士数名に見張らせる。何をするのか兵士に説明してから作業せよ。」と警告しました。
フジコは、「そのメンバーに専門家はいるのですか?いなければ専門家を、その兵士のメンバーに加えて頂けませんか?説明しても理解して頂けなければ、何もできないわ。」と条件を出しました。
バイキンマンは、「それもそうだな。誤魔化されない為にも、専門家数名を監視メンバーに加える。」と返答しました。
フジコは数日後、「あなた方の星に大量に埋蔵されていて採掘されていない資源を使用する事にしました。あなた方が指名した専門家の方にも確認しましたが、採掘されていないのは、使用されていないのですよね?この資源を使用する事により、前回と同じようなフィルターが作成可能です。」と説明して、その手順を指導してフジコはバイキンマンの星を離れました。
戻って来たフジコにアヤメが、「博士!何であんな無茶をするのだ!一つ間違っていれば、博士は確実に殺されるか監禁されていたのだぞ!」とフジコの事を心配していました。
フジコは、「女神ちゃん、先日陽子さんやマリさんには勝算があったと言っていたではないですか?私にも、それなりの考えがあって行ったのよ。」と返答しました。
アヤメは、「コンピューターに侵入してミサイルの配備の事など色々と確認できたのか?」とフジコが何をしてきたのか知りたそうでした。
フジコは、「今回は兵士に見張られていた為に、それはできませんでしたが、あのミサイルは近い将来、もう製造できなくなるわよ。ミサイルに使用されている、レーダーに映り難い資源は不安定で、今回私が使用する事にした資源から変異したものです。バイキンマンはそれに気付いてないようでしたので、その資源を使用したのです。その資源を使用すれば、自然とミサイルに使用する資源が少なくなります。あのミサイルも時間が経てば変異して、レーダーに映るようになります。現在建造中の人工惑星は、完成するまでに、まだまだ時間が掛かります。恐らく完成直前が完成してから攻撃して来ると考えられますが、その頃には今のミサイルはレーダーに映るようになり、それに気付いて更にミサイルを作成しようとしても、その資源がない為に、ミサイルは作成できません。今の間に、人工惑星の対策を立てれば問題ないでしょう。」と説明しました。
次回投稿予定日は、1月14日です。




