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幸福な人生をあなたに  作者: こし餡
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その後の日常



「今日の朝食も美味しかったなぁ♪」


ふんふんふ~ん♪と鼻唄を口ずさみながら軽い足取りで花咲き乱れる庭園を散策しております。

あたしの食後の日課です。

食べて運動は健康の基本ですからね~。



こんにちは~♪

乙女ゲーの世界で異世界転生とやらを絶賛体験中のユーフェミアです。

見た目7才、中身アラフォーの美少女です。


3ヶ月ほど前に目覚めたというかその事実に気付き、不憫な悪役令嬢を幸せにしちゃおう!と息巻いていたあたしですが。

その後、完全に自分の趣味趣向に突っ走っちゃいまして。

まぁ、結果的にユーフェミアも幸せになってるようなので結果オーライなんですけども。


現代日本でフードコーディネーターをしていたあたしが大雑把すぎるこの世界の料理に満足できるわけもなく。

我が家の料理長に「こうしてみたらどうなるかな~?」とか「これって面白そうじゃない?」と小さい子の好奇心を装ってあれこれ提案しまして。

だってこの世界の料理って、煮るか焼くか、塩で味付け、以上!

なんですもの。

旨味を味わう食の国日本で育ったあたしにはどうしても耐えられるものではなく。

ユーフェミアの生家、シェザード侯爵家の食事情に大革命を起こしてしまったわけです。


そしたら波及効果という感じでいろいろと変化が起こりまして。

宰相の激務と不特定多数の女性関係の影響で、ほとんど家に帰ってこなかった侯爵さまが毎日夕御飯前に帰宅するようになり。

今まで食べなかった朝食もきちんと食べてお弁当を持って出掛けるという、ホワイトな企業様で働くなサラリーマンのような規則正しい生活を送るようになったんです。

規則正しい生活を送るようになり、バランスのとれた食事を摂るようになった侯爵さまは、心身ともにとっても健康的になって気持ちが落ち着いたというか安定したというか。

あたしの記憶にあったゲーム内の荒んだ生活や雰囲気はどこへやら。

お母様が亡くなる前の穏やかな人柄に戻ったようで。

たくさんの女性関係を清算し、ユーフェミアにも優しい愛情を注いでくれるようになったんですよ~。


これにはあたしの中のユーフェミアが大喜び。

人格というか表だった部分はすっかりあたしが出しゃばっちゃってるけど、心の中にひっそりと静かに元々のユーフェミアの心も存在してるのを感じるのよね。

その存在が喜んでいるのが何となくだけどわかるから。

ああ、あたしが嬉しいと彼女も嬉しいんだなって。

そう理解してからは、遠慮なく一切の迷いなく爆走してるわけです。



あたしは広すぎる庭園をショートカットして通い慣れた厨房へ向かう。


「ロダン~、お弁当は冷めたかしら? お父様いつもより早めにお出掛けになるみたいなの。」

「大丈夫そうですよ。ミアお嬢様。」


料理長のロダンが目元を優しく和ませる。

お年頃な20才の娘さんと今年15才で騎士団に入団した息子さんの良きパパさんだ。

いつ見ても素敵なナイスミドルである。


朝食のときの会話を思い出して顔がにやけてしまう。

「ミアのお弁当がないと仕事にならないからね。」

仕事が忙しくてよく昼食を食べそこねてしまう話を聞いてお弁当を作ってみたら、予想以上に喜んでくれて。

それから朝のお見送りのときに毎日お弁当を渡すのが日課になったんです。

最近は朝食作りも任せてもらえるようなったので、毎朝我が家の料理人たちと一緒に厨房に立って腕をふるっております。



「お父様、はいお弁当。お仕事がんばってね。ロダンと美味しい夕食を作って待ってるわ。」

「ああ、ありがとう。楽しみにしているよ。行ってくる。」


あたしの額にキスをして優しく頭を撫でて馬車に乗り込む父を見送る。

ここ最近の毎朝の恒例行事。

後ろに控える執事やメイドたちの顔に穏やかな笑顔がうかんでいた。





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