04.仲間の危機
中間テストの勉強会を3人でやって以来、
私達は放課後必ず集まるようになっていた。
「ねー中間明日だよ?」
「んだんだ。だから勉強してんだべ笑」
・・・どこ語だ?笑
「みらいその喋り方チョーうける(笑)
ゆりも真似しよ(笑)」
「おっいいねぇーっ!笑」
二人のテンションに
ついていけないでいると相田さんに
「ねっ、うづきここおせーてー!」
と言われた。
「ん、いいよー。これはねー」
と教えていると相田さんが私の顔を
じっと見つめているのに気付き
顔をあげて、「どしたの?相田さん。」
と聞くと、相田さんは
「みーらーいっ!」
と言った。
理解出来ず、「え?」と言うと
相田さんは、
「ゆりのことは呼び捨てだけど、
みらいのことは相田さん、だよね。」
と呟くように言った。
それを聞いたゆりは、
「なんだなんだぁ?ヤキモチぃ?(笑)」
と冷やかす。
それに対し相田さんは照れたように
「ち、ちがうし!
なんか不公平だなっていうか
なんか仲間はずれ感が嫌だっただけだし。」
と反抗していた。
可愛すぎる返しに私は思わず、
「なんだーもっと早く言ってよー、
ごめんね、みらい♪」
と言うとみらいはそっぽ向きながら
「わ、わかってくれたら、いいの!」
と言った。
赤面しながら友達にヤキモチを妬く
みらいが可愛くて私とゆりは
そのあとみらいをいじくり倒したのだった。
・・・
「ただいまー」
家に帰りそう言った私だったけれど
両親は海外に行っているから、
返事は返ってこない。
私の母はスタイリスト、
父はミュージシャンで
忙しく海外を飛び回っていて、
兄もいるが、兄はひきこもりニートだから
部屋からでてこない。
でてくるのは決まっていつも
私がいないときで何故わかるかというと
あったはずの食料が
なくなっていたりするからだ。
こっそり部屋に持ち込んでいるのだろう。
私が食事を作り終え、
食べようとした時、携帯が鳴った。
携帯のディスプレイを見てみると
ゆりからのメールだった。
本文はなくタイトルに
電話していい??という一文だけ。
なんという斬新な・・・(笑)
私がいいよーと返すと1分しないうちに
電話がかかってきた。
早すぎる・・・。
「はいはーい」
私が適当な感じででるとゆりの
「もっしぃー♪今大丈夫だったぁー?」
というどぎつい声が。
さすがに耳が痛かったので
少し携帯の通話音量を下げながら
「大丈夫だよ、どしたの?」
と冷静に返すとゆりは
「みらいがぁ、ピンチっぽいんだよねぇ」
と深刻そうに言った。
ピンチ?テスト勉強が行き詰まってるとか?
と何事か考えながら「え?」
と聞くとゆりは
「彼氏と別れたって泣きながら
かけてきたんだよねぇ・・・」
と言った。
彼氏と別れる?なにがあったんだ?
「えっと、状況がわからないんだけど
彼氏って遠距離恋愛の人だよね?」
「そーそー。なんかねぇ彼氏が久々昨日
こっちきててぇ、会ったんだってぇ。
したらぁ、女連れだったらしぃー」
・・・なんというか、よくわからないけど
つまり・・・。
「・・・みらいと彼氏さんが街かどっかで
ばったり会った時に
彼氏さんは女連れてた、と。
そういうこと?」
「ゆりもよくわかんないけど多分そうー
なんかぁみらいが声かけた時はぁ
1人だったらしんだけどぉ、
その後おまたせーっつって女が
やってきたらしぃー」
なるほど、よくわからん。
「え、でもそれって友達って線は?
必ずしもその女が彼女って
わけではないでしょ。」
「それがぁ・・・
ハッキリいいやがったらしんだよねぇ。」
「・・・なにを?え、あ、もしかして・・・」
「そーみらいに紹介したらしー
彼女だーっつって。
でー彼女にみらいのことを
元カノだって紹介したんだってぇ」
「え、なにそれ。」
「マジありえないよねぇーでー、
キレたみらいはぁ、外ってこと忘れて
てめーと別れた覚えねーよ、
どういうことだよ!って迫ったらしー」
おー強いなみらい。
「そしたら?」
「そしたらぁ、相手は笑いながらぁ
遠距離で連絡もあまりよこさないから
自然消滅したかと思ったわ、わりぃー(笑)
って言ったらしー」
「なにそれ、殴りたい」
「わかるわぁー(笑)
でねぇ、みらいキレてぇ、
彼氏の携帯逆パカして暴言吐いて
逃げたらしー」
逆パカ・・・リアルにやる人いるんだ・・・。
「彼氏よく携帯差し出したね・・・」
「なんかぁ、電話帳からぁ自分の
連絡先消すから出せって言って
出させたらしいー」
「彼氏は自分でやるって言わなかったの?」
「あー言ったらしーけどぉ・・・
みらいがぁ、お前のこと信用できねーから
さっさと出せって言ったら、
仕方なし出したってぇ。」
・・・みらい明るくて優しいけど
怒らせたらきっと誰よりも怖いな。
「でもぉ、それ言われて
携帯だすってことはぁ、
きっと彼氏にも罪の意識あったんだべ。
まー別れて正解だよ、結果てきに。」
確かに別れて正解かもしれない。
けどみらいはいつも彼氏のこと考えて
日常過ごしてたに違いない。
・・・なんか、報われないな。
「みらい傷つけたのはさぁ許せねぇけどぉ
でもなんつーか彼氏がクズだってことにぃ
気付けてまぁーよかったよねぇホント」
「・・・確かに。けど、みらいは?」
「んー?」
「みらいの気持ちは?」
好きっていう。彼氏一筋っていう。
「なんかぁ、泣きながら電話してきたけどぉ
みらいもぉ新たに好きな人いてぇ
別れられてよかったーならしー笑」
!?!?
「え・・・」
一筋・・・じゃなかったの?
「ただぁそいつとはただのフレだからぁ
固定の彼氏に逃げられたぁって感じで
泣いてたんだってぇ
1番気持ちあったのはぁやっぱりぃ
彼氏みたいなー」
「・・・そーなんだ・・・
ていうかフレ?ってなに?」
フレーフレーてきな?応援?
「フレ。あー、フレンドね!」
フレンド・・・「友達って言えよ!笑」
「あー友達とはまたちげーの(笑)」
「?」
「やりもくって言ってわかるぅ?」
・・・またわからない用語が。
「えーっと、ごめん・・・わかんない」
「ならねぇーわかんなくていい(笑)」
なんか・・・凄く疎外感。
まあ、わからない私が悪いもんね。
「そ、そっか(笑)」
「うんーて感じなんだぁ」
「・・・で、なにがピンチなの?」
私は話を戻した。
「あーそうそう、んでぇ、
ピンチなのはぁ携帯逆パカされた
彼氏がキレてぇみらいに手あげたらしぃー」
「それは・・・自業自得でしょ・・・・・・
幾ら彼氏って言ってもそれは
器物損害だし・・・。
でも暴力はダメだわ。」
「んー、そぉでぇ、みらいもー
やられて仕方ねーことしたのオメーだろ!
ってキレ返して収集つかなくなってぇ
その彼氏のイマカノがぁ
警察に連絡したらしくてぇ
彼氏と共に連行されたらしー」
「え?みらいと彼氏が警察連行?」
「そーまぁイマカノも一緒にいたってのでぇ
連行されたらしーけどぉ」
警察沙汰とかやばいよ。
「それで?」
「でぇまあ携帯破壊したみらいは
圧倒的悪いけどぉ彼氏がぁ
今回は自分も悪いし大人気なかったから
許しますってぇ丸く収まったらしんだけどぉ
何言っても器物損害だからぁ
停学は免れねぇなって。」
「停学!?うちの学校停学食らったら
即効退学処分みたいなこと
言われてなかったっけ?
まだ入学して1ヶ月だよ!?」
「んだんだ、だからぁピンチ」
ピンチっていうか・・・やばすぎでしょ。
「・・・でもこればっかりは
どうにもできない、よね?」
「ん、そーなんだよねぇ。」
みらいが退学・・・。
それは嫌だ・・・でも自業自得・・・。
「・・・生徒会に直談判してみる?
凄くダメ元だけど・・・。」
「ゆりはいいけどぉ、
卯月学級委員じゃん、いいのぉ?
とばっちり食ったらヤじゃない?」
「だからこそ!友達のためなら私、
名誉なんて捨てるよ?
名前ばっかりの学級委員と
友達だったら友達のが大切だし
それに私別に学級委員なりたくて
なったわけじゃないし。」
「そりゃそうかもだけどぉ・・・
きっとみらいに言ったら
止められるよぉ?」
わかってる。なんの意味もないし
もしかしたら私達も何か
罰則食らうかもしれない。
それだけ厳しい学校だってことは。
けど何もしないなんて嫌だ。
「だから、言わないでね!笑」
「わかったよ、ゆりもやる。」
「よし、ご協力感謝!笑」
「当然っしょ!笑」
こうして私とゆりは次の日に
生徒会長に直談判に行くことにした。
中途半端なところで
切ってしまってすみません。
このまま続けると長くなってしまうので
次回持ち越しです。
よろしくです!