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依頼はできるだけ安穏に…

「これが今回の依頼よっ!!」

キングがキラキラした顔で見せてくれやがったのは、[隣町の新設ギルドが不穏な動きを見せているので、ぶっ潰せ。]という端的かつ、超ストレートな依頼だった。

「面白、ソオ。ヤりたい、ワア。ウ、フ、フ。殺、し、タイ。久々、に、ア、ハ、ハァ」

「そうだ…ね…Zzz」

あぁ、僕以外のメンバーはみんな大喜びだ。引き受ける他ないのだろう…

「おーほっほっ!!受付係をトラウマだらけにする位に脅しまくって手に入れた依頼よ!面白くて、当然じゃない!!」

ハイ、アウトー。ウチのボス、アウトですー、一刻も早く解任を願いますー。

「とりあえず、明日早くに出発よ!!みんな!早く寝なさい!!」

「おやすみなさい。キング。夜なので声は小さくお願いしますね。」

僕はもう否定も肯定もせずに部屋から出て行った。


ジョーカーが出て行った後・・・

「金ぴか、ジョーカー、に、まだ、言わない、ノオ?」

「ええ、今…言ったら、彼女(・・)は壊れてしまうわ。だったら、まだ…」

バンッ

ジャックはキングの頬を思いっきりひっぱたいた。顔を憤怒(ふんぬ)の真っ赤な色にして。

「いつ、まで逃げるっ、つもりっ、ダァ!あの子っ、ハッ、本当っ、ハッ、うっぅぅっうぇっああっうあぁぁ」

ジャックの頬は真っ赤な色のまま、滝のように涙をこぼしながら、子供のように泣きじゃくっていた。

「ごめん、ね…ジャック…」

キングまでもが、ボロボロと涙を零し、ジャックに謝っていた。

そんな2人を、クイーンはただ眺めるしかなかった…


ーーーアジトの外ーーー

「クフフ…やっと見つけた…僕の愛しい……」

声は誰にも届かず…風にかき消され、消えていった。その男の顔には、赤いドラゴンの痣があった。心なしか、その痣は動いているように見えた。


同時刻 ジョーカーの部屋

「ふあぁあ…」

大きく欠伸(あくび)をしながら、僕は、ベッドに潜った。

ここ最近、頻繁に頭に浮かんでくる物がある。恐らく普通なら過去の記憶などの(たぐい)だろうが、僕にはキングに出会う前の記憶が無い(・・・・・)。だからそんな事あり得ないのだ。しかも、その中で僕は、女なのだ。気付くと、この赤毛とは似ても似つかぬ水色の髪をツインテールに結び、優しいモスグリーンのドレスを着ているのだ。あり得ない。僕にはキングに出会ってからしか記憶が無いが、僕は男だ。それは間違いない。

「ゔう…」

僕はその記憶の中で、ある男を見ているのだ。その男は、そのうち僕の手を取り…

「ゔう…………っ…Zzz」

頭が混乱したまま、今日は眠りについた。


スウ……

寝ている時、ジョーカーの髪は水色になっていた。しかしそれは誰も知らない…

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