後日談 ――選ぶのは、あなた
蒼浜市は、今日も何事もなく回っている。
新聞の地方欄に、小さな記事が載る。
――港湾再開発計画、最終段階へ。
数字は整っている。手続きも合法だ。反対意見は提出されたが、採択には至らなかった。説明会は行われ、議事録も公開されている。
問題は、どこにも見当たらない。
あなたがもし、この街の住民だったら。
### 選択肢A:管理を信じる
「不完全でも、誰かが回さなければ街は止まる」
あなたは会議に出ない。資料も読まない。だが、暴力が減り、事故が減り、生活が続いている事実を評価する。
選ばれた人間が判断し、責任を負う。
その代わり、あなたは知らない権利を選ぶ。
知らなかったことで、救われる夜もある。
### 選択肢B:破壊を疑う
「合法であることと、正しいことは違う」
あなたは資料を読む。数字の歪みを探す。小さな矛盾をメモする。
声を上げても、拍手はない。
だが、誰かが次に踏み込む時、その線は残る。
その代わり、あなたは安心を失う。
知ってしまった夜は、眠りが浅い。
### 選択肢C:関わらない
「自分一人が何をしても変わらない」
あなたは仕事に戻る。家族を守る。政治の話は避ける。
それは卑怯ではない。
だが、何かが壊れた時、あなたは言えなくなる。
――知らなかった、と。
### どれを選んでも
街は、明日も動く。
誰かが殴られ、誰かが救われ、誰かが気づかない。
鷹宮は、今日も判断している。 玲奈は、今日も線を引いている。
二人はあなたに投票を求めない。
だが、あなたの選択は、すでに工程の一部だ。
管理か。 破壊か。 沈黙か。
日本の将来は、遠くにあるものではない。
それは、 あなたが今日、何を見ないかで決まる。




