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第十五章 政治家の地元事務所
事務所は蒼浜で最も立派だった。支援者の花、祝電、秘書の完璧な笑顔。
「刺殺もリンチも、事故死も、街が抱えるノイズです」
政治家はそう言った。悪びれもしない。
「選挙前に荒立てると、補助金に響く」
鷹宮は机を見た。基地関連工事の資料が積まれている。
「人が死んでる」
「昔からだ」
政治家は即答した。
鷹宮は理解した。この街は変わらない。変わらないように、管理されている。
帰り際、秘書が囁いた。
「深入りしない方がいい」
その言葉は、忠告ではなく脅しだった。




