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日課?と骨騎士

先に本編、炎が織り成す仕返しのダントファング を読んで頂いた方がわかりやすいかも知れません

不思議だ。

私は今までほぼ孤独に近い状態でいつもずっと

息をしていた。

そんな私が、旅を始め、仲間ができて…

そして……………





私は今どんぐりの木の中で仲間2人と行動している。

彼らを襲った苔のモンスターを観察したいだとか、倒したいだとか、どうやら街のギルドにもそういうクエストが出ているらしく、挑んだ人が何人も帰ってこないという。


私達3人がいれば多分倒せる、

うん、多分きっとなんとかなる。


ちょっと足が震えている気がするが多分武者震いだと思う。


「エイダートさん、本当に行くんですか?」


いや、やっぱり怖い。

震えるくらい怖い。


「うん、僕らが倒さないと、もっと被害者が増えるかもしれないから」


エイダートは勇敢だ。

他の人の為にそんなことを言えるなんて、

私より弱いかもしれないエイダートを見ていると私も頑張らないとって思える。


「ウマムース」


固定型ではなく追尾型の光源を出して進む、

灯りにも限界があるため、遠いところは見えないし、来た道も多分すぐ分からなくなる。

この作戦は完全に行き当たりばったりだ、


かれこれ何十分も歩いたが苔のモンスターは見つからない、それどころか他のモンスターも居ない。

これは一体どういう事なのだろうか、

私が違和感を感じていると、突然エイダートが叫んだ


「避けてください!」


私は反射的に正面にバックラーを構えた、

しかし私は横薙ぎに吹き飛ばされた、

見た目は明らかに苔だった、なのに恐ろしく硬い、多分並の剣じゃ歯が立たないのは確実だ。


「うぐッ」


「エイリリア!」


ダンジョンの木目調の壁に強く激突して意識が一瞬飛ぶところだった。意識が飛びかけたところは追い打ちをするように飛んでくる苔の塊、私は全身が痺れて全く動けなかった。

しかしエイダートが私を抱き抱えて避けてくれた、そして虚空を貫いた苔の塊はダンジョンの壁にぶつかって大きなひびを作り出した。


あれに当たっていれば即死だと思う。


「あ、ありがとうございます!」


「ふっ、あっ、わぁぁぁぁあ」


飛んでくる塊や触手のような物を必死に避けるエイダート、しかしついに触手に足を絡め取られてかしまったらしい。


やっと体の痺れが無くなってきた。


私がエイダートの為にバックラーの中に入れてある短剣を抜いて魔力を込め長剣にして、触手をスパッと心地いい音を立てて切り落とした。


当然ながら私はエイダートに抱えられたまま地面に落ちた。

エイダートはかなり痛そうだったが私は彼のお陰で全く痛くなかった、彼に心の中で感謝しながら次の攻撃に備えてバックラーに魔力を込めた瞬間、


「それっ!」


ノアさんが苔の塊に爆裂魔法を放った。

動けないエイダートを爆風から守る為に魔力を更に込めて盾を大きく、頑丈にして飛んでくる石の破片からエイダートを守りきった。


そして苔のモンスターはというと、

ところどころ焦げた箇所があるが大半が無傷だ、一体何故だろう、爆裂魔法を食らって無傷なのは有り得ない、あのモンスターはなんなんだ、そう考えたが今はアレを倒すのが先だ。



バックラーの魔力を短剣の方に込める、

長剣のような形になった短剣を慣らすように少し振ってから私は目の前のイレギュラーモンスターに向かって走った。


当然向こうは私を危険視したように苔の塊やら触手やらを飛ばしてくる、

私はそれを全て真っ二つにして回避する。

そして本体が間合いに入った瞬間、私は剣を振るった。

そして苔のモンスターは真っ二つになった。

無事に倒せた、そう思ってしまったのが悪かったのだろうか、2つになった苔のモンスターはそのまま動き始めた。

これでは無敵では無いか、

そう思ったがおそらく違う、モンスターには魔石がある、それに少しでも傷を付けれれば、多分それだけでこのモンスターは綺麗さっぱり無くなるはず。


私は2つに増えた目の前のモンスターの魔石がどの辺にあるか予想した、多分狂いは無い。


そして短剣の形を突き特化のエストックに変えて超高速の二連突きを2つのモンスターに放った。


そしてそいつらはきれいさっぱりなくなった。


予想通りだった、

誰も死ななくて良かった。


というか思ったより弱かった。

まさかこんなに簡単に倒せるとは、

いや、多分私の武器の性能がおかしいんだと思う、武器を買った店の店員は魔力が必要な剣より普通の剣を使った方が良いよ、と確か言っていた、だとすればあの店の剣はこれよりも強いのだろうか…



「エイリリア、お疲れ様」


「エイダートさんもお疲れ様です!」


ノアさんは今回も何もしなかった。


「エイダートさんもエイリリアさんも怪我は無いですか?」


「「ないよ」」


多分ノアさんは出番が欲しかったんだと思う。


私達はどんぐりの木から出てすぐにギルドに向かった。


「エイリリア様、エイダート様、ノア様、賞金首の討伐、おめでとうございます!」


3人の職員が私達に大きく膨らんだ袋を渡してくる。

お礼を言いながら受け取ろうとした瞬間、

2人が袋を落とした。

確かに重いが持てない程だろうか…


「重い…………」


台車を借りてたった2つの袋を運ぶのは異様な光景だが彼らはそれでも重いらしい。


無事に宿に着いた頃には2人共疲れ果てていた、

私は1人で入りたいので温泉は譲った。


というかあの人たちは一緒に入るのか?


私も一緒に入る訳では無いのに妙な気分だ。

なんというか、ノアさんが羨ましいような…


首を高速で振りまくって意識をこれからどうするかの方向に無理やり変えた。


これからもあの人達と旅をするのだろうか、

なんだか、あの人達とは今行動するべきじゃない気がする。いずれくる日に備えて私は1人で行動しないといけない、そんな気がしてならない


決めた、共に旅をするのは明日までにしよう。

そしていつか来るその日に備えて、

私は彼らより早く、強くなろう、

いつか、彼らを守れる時が来るまで___





「エイリリア!上から来るぞ!」


「了解」


天井に張り付いていたと思われるスライムの体内の小さな核をレイピア型になっている短剣で突き刺す。


「ひゃあっ」


そして核がなくなり形を保てなくなったスライムの破片は私に掛かり、装備の一部を溶かして消え去った。スライムの変な感触に変な声が出てしまった。


バックラーに短剣を入れてから気付いた。

エイダートが私から視線を逸らしていた。


私は首を傾げて自分の姿を見る。

なんというか…全裸よりもまずい格好だった。


そしてノアさんが慌ててバックパックから私の替えの服を出そうとしていた。


既に全裸を見られているからだろうか、

私はそこまで恥ずかしいと思わなかった。

多分もう感覚がおかしくなってるんだと思う



現在地はどんぐりの木の地下2階

3人と1匹で暗闇の中輝くランタンの灯りと共に警戒しながら歩いている。

そして進行方向に突然何も無いところから黒茶色の毛皮の小さなハインドが現れた


「犬だ」


「犬だね」


「毛皮を剥げば高く売れそうですね」


場違いな発言をするノアさん、嫌な予感がする

そういえば小柄で単独行動をするダンジョン生まれのハインド種は攻撃されたりすると大量の攻撃的(アクティブ)なハインド種を呼び寄せたような


「ラミナドヴェント!」


私の考えがノアさんに届く訳も無く、10mほど先の小柄なハインドは風の刃に首をスパッと綺麗に切り落とされた、やはりダンジョン生まれの個体のようで傷口から血は一切出てこない、

しばし倒れたハインドの死体、既に形が無くなり灰となっているそれを見つめていると

エイダートがノアさんの頭をやや強めにはたいた


「急になにするんですか」


「あんな可愛い犬を金のために殺すなんて何考えているんですか!」


最後に小声でエイリリアが可哀想だし… と言っていた気がするが気にしないでおく、

それよりも温厚な2人のレアな喧嘩が見れそうだ


「夜寝なかったせいでまともな判断もできないんですか!お金のためならなんでもする、それが旅人、いえ、冒険者でしょう!」


ノアさんの発言はすごく考えが邪悪な気がする


「確かに夜更かしはしましたよ、なんたら寝なかったし、それでもノアさんはお金のためなら僕らを裏切ったりするんですか?!」


「エイダート、そこに正座」


そう言ったのはノアさん、ではなく私だ

私の気配に怯えたのか一瞬震えてすぐ正座した



軽い尋問の後、正しくは途中でハインドの群れに襲われて尋問は中断して応戦することになった


ノアさんは当然ながら売れる部位を多く残す為だけに風魔法で首をサクッと落として戦っている、詳しくは数えていないが既に100発以上の風の刃を生成して放っている、当然のように魔力量が恐ろしく多いのだが、もっとすごいのは魔法の命中率だ、100発以上撃ってクリーンヒットしているのが10発程度ということだ、


そして私はというと魔力を使わずに戦う練習の為にただの短剣で戦っている、


目の前から獰猛な狼の爪が襲いかかって来るだけでなく横からも牙が襲いかかってくる、

バックステップで牙と爪を避け、

近くのハインドの攻撃後の僅かな隙を逃さずに短剣を首に突き立てる、

残ったもう1匹が黒い毛皮を波立たせる、

これはスタービームだと思う、

サイドステップで狼の正面からズレるとその直後に真っ黒なキラキラと輝く綺麗とも言える殺戮光線が私の真横を通り過ぎて行った


一瞬死んだかと思った



無事に生き延びてダンジョンを出た、

ちなみにダンジョンの唯一無二の出入り口が崩落していたが特に問題はなかった、



重い水晶のような物をもつエイダートの斜め後ろを歩いていると、


「ヒョッヒョッヒョッヒョ、ワテクシの名前はシャカ・イノ=トビラ・カイホ=ウでごわすよ♡」


そんな声が聞こえた、

茶色い肌に厚化粧の大男…?がクネクネ歩きながら街の住人に絡んでいた


「「「きっつ」」」


シンクロ。

色々きもいと思う会話?のようなことをエイダートとトビラが交わしている、


その後なにかアナウンスが流れた気がするが意識がやや朦朧としていてエイダートの動きに合わせてなんとか意識を保っていた、そのせいで何回かシンクロした気もするが、絶対的記憶力を持つ私も何があったかの記憶は全然残っていない、多分半分以上気絶してたんだと思う



エイダートの影に隠れて社会の扉解放を見ないようにしながら宿に戻った、

流石の爆音店主ですから思っきり引いていたからやっぱり気色悪いのかもしれない


翌日、エイダートとノアさんの呑気な会話を聞きながらダンジョンへお金稼ぎへ行った、


運悪く魔王幹部に出会ってしまったがなんとか生きてダンジョンを出た、


しかし不運なことにその後、私達に着いてくるかのようにその骨はダンジョンを出て広場で大暴れしていた、恐ろしいことに果敢にも挑んだ金に目がない勇敢なる戦士をなんの動きもなく全関節を良くない方向に曲げるなどという芸を見せてみせた



短剣を抜く、魔力を込める。

そんないつもの動作が出来なかった

10mほど先にいる骨騎士は近くの自分より弱い魔力を操作出来るのではないかと、

その瞬間記憶が未来から逆流するような感覚と共に私は眩い光に包まれた


瞬きに似た感覚で瞼を上げると、目の前には今戦っている骨騎士に似る、それでいてどこか違う雰囲気のアンデットナイトが立っていた


体が勝手に動く、記憶なのだから当然のはずなのだが、何故か自分の体とは思えない違和感がある、そしてアンデットナイトは幾度も骨騎士が使ったような技を使う、そこでふと気付いた、戦闘中だったら絶対に気付けないであろう違和感、恐らく骨騎士と共通した弱点、

それは…


「骨騎士は誰も殺せない」


気付けば世界は元に戻っていた、時間は記憶が逆流してきてから一切変わっていない

僅かな待機時間を経て時はまた動き出した



目の前の敵は絶対に私達を殺せない、

それならただ痛いだけだ、だったら何も恐れる必要はない、どんな苦痛も、妹が死んだと知った時ほどの苦痛には及ばないから


短剣を構えてスケルトンナイトに襲いかかる

すると見えづらい糸が音を立てずに飛んでくる、全力で体を捻って回避して脇腹に渾身の一撃を入れた、はずが何故か私は必中距離の攻撃を外し、骨騎士の無骨な鈍器地味た剣の腹に吹き飛ばされた


一撃が重すぎるッ


住宅の壁に強く激突して、痺れの余り動けずにいると、何もされていないし強い魔力を受けた訳でもないのに突然エイダートが倒れた


「エイダート!?」


「今の…私は感じましたよ、エイダートさんの覚醒です、エイリリアさん、イノトさん、私が時間を稼ぎます、お2人も、少し眠っていてください」


まさか…と思って魔力を防ぐ障壁を発生させようとした時にはもう私は深いまどろみの中に落ちていた


その最中、エイダートの中の火が強くなるのだけが感じれた

最後まで読んで頂きありがとうございました!

かなり投稿が遅れてしまいましたが、今後ともよろしくお願いします、

誰にも忘れられていないことを願いながら読者の皆様に光と風の祝福を!

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