RAST FILE:最後まで警察関係無かったね
屋上に上がった俺達を迎えたのは、泣きそうな顔になっている姫菜と
それを人質にとっているアホ2人組みだった。そのうちの一人、姫菜
の親父と思われる男が「やっと来たか」と口を開く。
「待ち兼ねていたよ」
「待たなくても良かった。それとなぜ姫菜がそこにいる」
「それについては私が」
「署長店長!」
ご紹介に預かりやがったこいつはご存知メタボなアホ署長である。
…署長だか店長だかはっきりしろよ。加藤清〇郎君に謝れ。
「実は、つい五分ほど前に私はここへ来たのだよ」
「で?それだけでは姫菜がここに居る理由にならないぞ」
「わかっている。姫菜はついさっきこいつがそこで拾った」
「姫菜ああああ!!動くなって言ったろおおおお!!」
「ごめんなさいいいいいいい!!お父さんに誘われてええええええ!!」
「くそ…で?さっきの怪しげな機械はなんだったんだ?」
「だから、あれは洗脳装置だって。罪の無い人を海蛇組に引き入れるための」
「「お前今、とてつもない悪行をさらっと言い流したよな」」
「とにかく、その装置が壊されたんだ。どっかのバカ2人に」
「「罪悪感の欠片も感じないんだが」」
「まあ、壊されたところで都庁爆破は決行するけどね」
「「すがすがしいほど悪人顔になってるぞ」」
「さて、そろそろ爆弾の解説をしようじゃないか」
「そんなことしていいのか?すぐに解体するぜ?」
「大丈夫。この爆弾、各階に1つずつ仕掛けてあるから」
「とてつもなく厄介だなおい」
「そんでもって、最初の爆発から30秒おきにどこかの階で爆発が起きる。
爆弾の数は屋上合わせて60個。ちなみに、スタートは決まってないが
ゴールは決まっている。最上階のメインコンピューター室だ」
「場所を知ったらまずそこを解除に行くが…」
「残念ながら鍵が閉まってる。ちなみに全ての爆弾を解除するためには、ある場所に隠されている爆弾を解除すればよい。そうすればコントロールが失われ、爆発はストップする。ヒントは『地球上』だ」
「規模デカすぎだろ。…死ねばいいのに」
「相変わらず俺の命は軽いのか…まあいい。もうすぐ爆発が始まる。そうなれば
私達3人は逃げ出させてもらうとしよう」
「く…せめて姫菜だけでも…」
「ほら、もう始まる。5、4、3、2、1…」
「姫…!!」
「ゼロ♪」
楽しそうにニヤけた署長を合わせて3人の後ろで見事に爆発が起こる。
「「はーっはっはっは……は!?」」
爆風でこっちに飛んでくる3つの体を避けながら再確認した。こいつら、真性のアホだ。
署長は署長でスタート地点を決めておけばよかったし、姫菜の親父に至っては
名前すら出させてもらっていない。役どころがある署長より遥かにどうでもいい存在となってしまった。何をするか以前の問題だ。せめて爆弾の解説をする前に自己紹介ぐらいしておけばよかったものを。そして3人目の…
3人目…?
「「姫菜!!」」
石和と同時に振り向くが、そこにあったのは3つの焼死体。ピクリとも動かない。
駆け寄ろうとする俺を制止させた石和は、首を横に振った。
「こいつらに構わず、ヒントの爆弾を探しに行くぞ」
言われなくてもわかってる。でもやっぱり…
「お前はいいのかよ。姫菜を放って置いても」
「いいも何も、既に手遅れだろ」
「そういやそうだな」
言われてみれば元々姫菜とは無縁だった。今更奴がどうなったって構いやしない。
それより早く爆弾を解除しなければ。…俺たちってサイテーだな。
「そうだ、石和」
「どうした?」
「職員一同は?」
「ここへくる前に全員非難させた。『北海道で署長が呼んでる』って言った簡単に騙されたぞ。今頃は羽田辺りかな」
ひでえ。
「いいんだよ。それよりさっきからどんどん爆発していってんだが」
「そうだった。早く行かなければ」
俺達は階段を駆け降りるが、なんせヒントが『地球上』なんだ、分かるハズもない。
とはいっても、石和はある場所に俺を連れて行ったのだった。
~20分後~
「で?何でここに来たん?」
俺達が来たのは食堂。それもいろんな物がいろんな所に散乱している中。
「決まっているだろう。答えが分かったんだ」
「マジか!?教えろよ石和!!」
「さて考えてみろ。地球上は何という?」
どーん。
「いや、そんなのいいから。さっさと教えろよ」
どかーん。
「はいはい。…地球上は普通『大気圏』っていうだろ?大気があるんだから」
「ああ。それがどうかしたのか?」
「わからないのか?…大気圏」
「大気圏?」
どーん。
「たい、きけん」
「はぁ?」
「鯛、危険」
「………………………………………………あ」
「露骨にどうでもよさげな表情すんのやめろよ」
「どーでもいいんだもん」
「まあいい。と、いうわけで今現在俺達は鯛の目の前にいるんだ」
どかーん。
「…で?俺に何をしろと?」
「爆弾の解体」
「やっぱりか。やるよ、やります」
「そういえば、爆弾って下手にいじると爆発するんだったよな。ちゃんと間違えないようにしないと」
「プレッシャーかけんなよ…ん?」
「どうすた?何か見っけたっぺ?」
「何でなまってんだよ…ところで、君の好きな色は何色だ?」
「なにそのガリ〇オ最終回的な質問。ここはドラマ通りにピンク」
「質問を間違えた。赤と青、どっちがいい?」
「間違えんなよ!…この前テレビで見たことがある。こういう時は爆発を考えさせる赤を避けるという人間の習性があるって。だからここはあえて裏をかいて赤だ!!」
「よしわかった!!青だな!!」
「ヘイユー!!ボクノハナシキイテル!?」
「えい」
ぶちっ。
「AHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!」
訪れる静寂。やった…
「と、止まった」
「よかったろ?俺のカンに任せて」
「ああ。今回だけは助かった」
「今回だけは余計だ。まあこれで、全壊は免れ…」
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!
…あれ?
遅くなりました。パソコンが堕ちてしまったもので・・・
その代わりといっては何ですが、最終回と真・最終回を同時
投稿させていただきました。次の作品もがんばりたいと思います。