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FILE3:Back to the Japan

ここから昭彦目線で話が進みます。ご了承ください。

「「うおおおおおおおおおお!!」」

俺と石和が敵軍に突っ込んでいく。俺はあいつに渡された刀を使っているのだが、実はこの刀使っていると妙な事しか起こらないのだ。切る度に呻き声らしきものが聞こえるし、切り口から青い炎が出るし。一体何なんだ?

「っと」

色々考えているうちに無数の弾丸が飛び交ってきた。扉を盾にして防いだが、そろそろ壊れそうだ。弾の雨が一瞬止んだ隙を狙い、俺は飛び出した。弾切れらしく、ナイフで襲ってくる兵士たち。

「構えがなってないな」

そう呟くと俺は刀を鞘に収め、居合切りの姿勢をとる。

「刃物はこうやって扱うんだよ!!」

一瞬で十数人の兵士を片付ける。なんとなく倒れた兵士を見てみると、その顔には見覚えがあった。

「石和!!」

「どうした!!」

拳銃を構えながら返事をする石和。忙しいだろうが、これは伝えなくてはならない。

なぜなら、とっっっっても厄介な事になったからだ。

「こいつら、あの組織のやつらだ!!」

「なんだって!?」

「胸に付いてるバッジがその証拠だ!!」

「本当だ!!でも何でやつらが関わってるんだ!?」

「知らん!!とにかく生け捕りにしろ!!いいか、決して殺すんじゃないぞ!!」

「了解!!」

そう言うと石和は銀色の二丁拳銃を敵の親玉らしき人物に投げつけると、サバイバルナイフで兵士たちの喉を掻っ切っていった。

数分後、敵の全滅を確認した後姫菜を迎えに行くと彼女は泣いていた。

「ど、どうした?」

「怪我したのか?」

「……(ふるふる)」

「怖かったのか?」

「……(こくり)」

「なるほど」

「どうする?署長はもう日本に帰ったし、今更『大変です』なんて言ったら赤っ恥だぜ?」

「わかっている。とりあえず、今優先すべきは姫菜をどこかへ連れて行って落ち着かせることだ」

「そだな。じゃあ、ホテルでも行くか?」

「金ないだろ」

「ここに腐るほどあるじゃないか」

言って石和は倒れている兵士の山を指差す。

俺は無言で兵士のふところから金を巻き上げ、石和に向かって呟く。

「お前って結構酷い奴だよな」

躊躇ちゅうちょもなくやり遂げるお前もな」

2人、3人、4人と次々に回って行き、全員の財布を寂しくしてからその金額の大きさに驚愕した。

「一生遊んでいけるんじゃないのか」

「さあな。ところで、さっきから全く泣き止まないこの娘はどうするんだ?」

「忘れてた」

「お前…」



と、いうわけで泣き続ける姫菜を連れてホテルの一室に落ち着いた俺達なのだが。

「やっと泣き止んだか」

「ごめんなさい。心配かけて」

「いや別にいいんだが」

「……」

「ど、どうしました?」

「姫菜、お前何か隠しているだろう」

「う!そ、そんなこと…」

「何もしないから話せ。何を隠している」

「………………」

しばらく黙っていた姫菜は、申し訳なさそうに口を開いた。

「実は私のお父さん、変な薬を造ったりしている『海蛇組うみへびぐみ』っていう会社の人なの」

「海蛇組…あのバッジは間違いない」

「ああ。例の作戦のターゲットであり、現在指名手配中の極悪非道な輩」

例の作戦というのを説明しよう。今から5年前、俺達が刑事になった直後に参加した作戦のことだ。

その名も『海蛇組残党殲滅作戦』。

当時警察側がかなりがんばって、2万人以上と言われていた海蛇組メンバーを50人にまで減らし、更にその全員がたてこもっている廃工場の一箇所しかない出口をを完全に封鎖した。警察はもちろん、中継映像を見ている国民も、その映像を撮っているカメラクルーも勝利を確信した。そして数分後、警察の中の誰かが爆弾を大量に投げ込んだ。


           一箇所に集結している警察の中心へ。


出口へ張り込んでいた警察はほぼ全員死亡。死にはしなかった人も全身に火傷や骨折を負った。そのうえ爆弾には毒素の強い粉が大量に仕込まれていたらしく、後遺症を負った人もいた。

その中で奇跡的に無傷だったのが俺と石和だ。2人だけどこも異常がなく後遺症も無かった。なぜかは俺たちも分からない。

「そしてその後裏切り者が検出され、そいつにも逃げられた」

今のは俺のモノローグだったハズなのだが、なぜか聞こえていた石和が俺を睨みながら続ける。

「残党は消え、裏切り者も消え、日本警察に残されたものは敗北感のみだった」

「で、その海蛇組のメンバーに居たっていうことはもう捕まっている…って可能性も」

「それは、無いと思うよ?」

「どうして?」

「だって、私がおにーちゃんちに預けられる前にお父さんと署長さんが話していたから」

「「―――――!!」」

緊張が走る。組織の奴と署長が関連している!?そんなバカな!!

「どんな話をしていたの?」

「とぎれとぎれだけど、『都庁』とか『例のもの』とか。あと、ない…ない…」

「『内密』?」

「そう!それ!よくわかったね!」

「もしかして、『後遺症』とか『5年前』とか言ってたりした?」

「うん!そー言えば!何で分かったの?ってゆーかそれがどうしたの?」

「昭彦!!」

「ああ。ちーとばかしヤバいかもしれないな」

「姫菜。他には無いか?」

「うーん、あ!爆弾がどうのこうのって言ってた気がする!!」

「石和、姫菜を連れて帰るぞ」

「なんで?」

「察してるだろう」

「まあな」

「行くぞ」

俺は、石和と姫菜を連れて日本行きの飛行機に飛び乗った。

どうも。百鬼夜光です。

突然ですが、あとちょっとでこの作品、終わりを告げます。

連載じゃなくて短編にすればよかったですね…ごめんなさい。

でも、すぐに次の作品を投稿する予定です。

よろしければそちらのほうもよろしくお願いします。

今度は長く続くようにがんばります。

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