不義の上できた妹を真実愛した人の娘だからと大切にする父、妹は私から大切なものを皆取り上げました。母の形見さえも…そして…婚約者の王太子殿下まで私から取り上げた妹に私はある日復讐を決意したのです。
「私が真実愛した女性との子はレイラだけだ。お前など愛してはいない」
母が亡くなったときに私は父にこう宣言されました。
父と母は政略結婚でしたが。母は父を愛していましたのに…。
私は10歳のとき離れに追いやられ、そして父が昔愛した人の娘だというたった半年違いの妹がやってきたのです。
母の形見のドレス、首飾り、髪飾り…鏡台、すべて妹に取り上げられ。
私は離れで使用人数人と暮らす日々です。
「お姉さまって~真実愛されていない人との間の娘だからお父様が自分の本当の娘かどうかもわからないっていってらしたわ!」
いつも離れにやってきて私に向かってにこにこと笑顔で妹はこういうのです。
そんなことはないわ! と私が反論するとお姉さまがいじめた~といって父に泣きつきます。
私は妹いじめの罪とやらで食事を抜きにされることも多々ありました。そして父に蹴り飛ばされ殴られます。痛みに眠れない日々を過ごすこともありました。
その食事も薄いスープとパンのみでしたが……。
母のほうの身寄りはすべてはやり病で死に絶えてしまっていて…それも父が私を粗略に扱う原因の一つでした。
しかし15で王太子の婚約者選びの舞踏会があり、粗末なドレスで参加した私のことを殿下が見初め、私は婚約者に選ばれたのです。
父は歯噛みしてこちらを見ましたが、笑顔でおめでとうと私をに抱きしめたのです。
妹は悔しそうにこちらをにらんでいました。
私は王宮に迎え入れられやっと幸せになれると思ったのですが。
時がたつごとに殿下が冷たくなっていくのです。私は何もしていません。
そして……。
「オーレリア・シュタイン。お前は妹いじめをする姉として有名だそうだな。お前のような女と婚約していられない。婚約破棄の上、辺境送りにする!」
私は妹と殿下の前でこう宣言されたのです。
「お姉さまって私につかみかかってきて平手打ちをしたりするのです殿下……」
「そうかひどい奴だな……」
抱き合う二人を見て私は妹が言い寄ったのかと愕然としました。妹はお姉さまって誰からも愛されないご令嬢って言われてますのよとにっこりと笑って言います。
「お父様の本当の子かわから……」
「私はお父様の子ですわ!」
「ほら、怖い~」
私は衛兵にとらえられ、引きずられ馬車に放り込まれました。
そして私は辺境行きの修道院に送られたのです。
「婚約破棄をされたほうがよかったんじゃないかなあ」
「だれ?」
「僕は君のお母さんというかそのご先祖に昔お世話になった精霊、フレイオール。火に属するものさ」
一つだけ母の形見を持ち出せた。それは首飾り、私は赤い石がついた首飾りを眺めているとそこから小さな少年の姿をした精霊が出てきたのです。
「どうして今更でてきたの! いじめられている時や……」
「ごめんよお、君が16で成人するときに契約できるならしてやってくれって君のお母さんに頼まれてさ~」
確かに今日は私の16の誕生日でした。
私は粗末なベッドにぽふんと座り精霊をまっすぐに見ます。
「契約をしたら何か益があるの? 対価は?」
「対価は髪数本でいいよ。僕は人間が好きな精霊なんだ。君の母方のご先祖に僕は助けられてね代々守護をしていたんだけど僕をみえる資質がある子が減ってきて、最後が君のお母さんだったんだよねえ。でも精霊の力を借りるべきではないって人でさ……」
「確かに母はそのような人でしたわ」
「でも困ったことがあるかもしれないから君が成人して分別がつく年ごろになったら選ばせてくれって。どうする?」
「契約しますわ」
私はフレイオールと契約をしました。そして私は復讐を決意したのです。
「フレイオール。今日はお父様の髪の毛と妹の髪と殿下の髪も焼いてあげましょう」
「ふふふふふ、髪だけかあ、わかった。この前は部屋でボヤ騒ぎ、しかもあの二人の部屋だけ。ああ君のお父様の部屋もだね」
「呪われているってみんながうわさをしていましたわよねえ」
「そうそう楽しいよねえ」
私はフレイオールの力を使い、彼ら三人の住む部屋や着ている服、大切にしている品物などだけを焼く日々を送っていました。
彼らは呪われているという噂がたち、何の罪のない令嬢を修道院送りにしたからだといわれています。
ふふふ、精霊の力は魔法使いにはわかりませんし。
「今日は髪の毛、明日はどうしましょう」
「足だけっていうのは?」
「うふふふ、それは最後のほう、顔を焼いたりも楽しそうですわね」
私がこんなになったのはあなたたちのせいですわ。私は自分の髪の毛を数本を引き抜きニコッと笑ったのでありました。
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