第96話また血尿が!
ついに最後の1軒のホテルの久留米まで来ました。
ここの支配人は専務派ではなくて、従わないから去年大阪から西の一番端に飛ばされたとうわさです。
「遠いところにようこそ!」
思ったより若い支配人で、年配の女性を連れて入ってきます。
「彼女は前の管理会社ではここの支配人をしていたのです。子供の学校のことがあり寮に住んでフロントをお願いしています」
「それはありがたいですね。現在の管理会社の社長と比べて違いはありますか?」
彼女は心配そうに支配人を見ています。
「これは私が言ったことにして下さい」
「前の社長はかなり厳しいお金の管理をしていて、修繕や設備費にはめったにお金を出しませんでしたね。だから売り上げが右肩下がりでした。その意味では今の社長は修繕や設備費は出す方ですが、工事や設備は専務の方で契約されていますが、明らかに地元より割高です。一度前の支配人の時に相みつを出しましたが、回答もありませんでした」
「社長は?」
「気づいていますが、専務派に押されていますね。僕は社長にフロントから支配人に抜擢してもらったのです。昔は現場をよく回られていたのです」
支配人がはっきりものを言います。
「昔の支配人はもう3人だけになりました。みんなよその会社に移って行ってしまっています。大阪にいた時経理もしばらく手伝っていましたが、専務の給料は社長の倍あるのですよ」
「給与明細ではそうなっていませんが?」
「別会社からも専務には給料が出ています」
3時間ほど説明を聞いていると相棒の部長が設備の点検を終えて戻ってきます。
「タクシーを呼んでいますから」
タクシーに乗って走り出しましたが、なんと行き30分のところが1時間半かかってもまだ着きません!
トイレにいけないと思うと余計に尿意が増してきます。
駅についてトイレに飛び込むと血の海になっています。