第95話全身がかゆい
遠方のホテル視察も半分の7軒が終わりました。
中間報告と独立採算のグループ分け提案書を親会社の社長にメールします。
それと入れ替わりに遅ればせに総務課長から新会社出向指示書と専務と部長の任命書が送られてきました。
そこに手書きで総務課長が「提案書は総務を通してください」とあります。
それなら幹部会議の報告をしてくれてもよさそう・・・と思ってしまいます。
今日はじっくり朝会で昼までの時間を取ってホテル視察を報告します。
「過去の修繕・設備状況はどうだったですか?」
担当の経理の女性が聞きます。
「本当に直してほしいところが直されず別の工事がされているという現地の担当者の話がよく出てきています」
「これは髭の専務が工事発注に関わっているケースが多いです。バックを貰っている噂もあります」
相棒の部長が調査のレジメを見せます。
ただしこの辺りは調査をしてゆきますが、まず再建の重要テーマを優先したいです。
犯人探しは全体が落ち着いてからです。
「設備についてもどうも本社の意志が強く必要のない設備が入れられて欲しいものがつかないという意見が強い。これはすべてこちらに稟議を上げることで防げます」
「専務の体調はどうなんです?」
リーダーの女性が聞きます。
「いや大丈夫だよ」
と言いましたが、最近全身がかゆくなる症状が出てきています。市販鎮痛薬の使用は、腎不全の危険を増加させるようです。腎不全に起因するものとなると腎臓のかゆみの原因となる老廃物排泄能力が低下することが最も大きい。