第89話踏み込めるか?
新家賃のモデル表を作り本社の社長に提案報告の追加として送りました。
同様にホテルの社長にも説明を終えています。
「これなら立て直しができる」
と喜んでいました。
2年長期計画も作ってみましたが、これなら押し寄せている設備費やリホームをしながら利益を計上できます。
家賃はこれでも平均より1割高めです。
相棒の部長がFAXを手に隣に椅子を寄せてきます。
「各ホテルの支配人の意見書がこれで全部集まりました」
修繕や設備だけでなく気になることを書いてくれと伝えていました。
彼には報告の時は自分で理解して自分の言葉で話すようにお願いしています。
「本部からの押しつけ商品はおそらく社長のもとにいる専務ですね」
体格のいい髭顔を思い浮かべました。
「本部のこれからの購入はこちらで決済するからいいが、まだいろいろ出てくると思うな」
「ペーパーに書けないドロドロがあるようですよ。テコ入れが必要なホテルから並べました」
「1か月くらいで回ってみないといけないな」
「近畿圏で半分ですが、後は東北から九州まであるんですよ。それに体の方は大丈夫ですか?」
「そうだな」
確かに自信がありません。それに外食ばかりになります。
「お酒の席も?」
「一度スケジュールと予算組んでくれないか?」