第87話血糖値を下げないと
直行で内科の診察です。
保険証を提出したら、検尿と血液検査です。
今日はいつになく透明な尿です。
「調子はどうですか?」
「排尿痛がなくなったように思います」
「貧血も回復基調にあります。でも血糖値が225もあり少し危険ですね。糖尿病腎症から数年ほど経過した頃にはたんぱく尿も多くなり、ネフローゼ症候群とともに血圧も上昇します。このまま5~10年ほど治療が不十分であれば、慢性腎不全に移行して人工透析を受けることになります」
人工透析の名が出てき始めました。
「もう一度食事療法を見直してください」
パンフレットを貰いそのまま本社に私だけが呼ばれています。
相棒には各地の支配人に修繕とリフォームの確認をしてもらっています。
おそらく家賃値下げと融資の元本返済猶予の提案に対する回答のように思います。
相棒を巻き込みたくないという気持ちがあります。
「登記準備が終わったと息子から聞いているが?」
社長室もずいぶん慣れてきました。
「社長と力関係もあるから君が専務で入りなさい」
「いいのですか?」
「社長とも話したが、非常に頼りにしているそうだ」
「あの彼も肩書を部長にしたいのですが?ホテルの支配人との対抗上でも」
「それは任せる。だが本社の待遇は主任だよ」
「あの家賃の提案は読んでいただけましたか?」
「あれは少し考えさせてくれ」




