第7話手術日の決定
会社の中で私が頻繁に通院しているという噂が広がっています。
大企業より中小企業の方がこういう噂は格好の餌食になるようです。
とくにある日急に上司で現れた新人に対するやっかみはあるようです。
今日は久しぶりの内科の腎臓の定期診察です。
1か月に1回となっていて、診察前に採血と検尿があります。
「どうです調子は?」
この内科の先生は落ち着いた雰囲気を感じさせてくれます。
「とくにどこがどうという感じはないですが、膀胱がんが発見されて」
「そうですね。まずがんに集中しましょう。こちらはその間降圧剤と、血糖値を抑える薬を飲みましょう」
その後に泌尿器科です。
「入院の日は決まりましたか?」
まずここからまた始まりました。
「薬とか通院でということは?」
「ありませんね」
「一般的治療は?」
「経尿道的膀胱腫瘍切除術をしますね。多発性だからBCGまたは抗がん剤の膀胱内注入療法を併用するのが一般的です」
この言葉をメモ用紙に書き留めます。
「5月の連休でと考えていますが?」
まだ有給休暇が発生していないので、出来るだけ休みを押さえたいのです。
「手術の日は平日でないといけないから、手術後連休を使うので調べてみよう」